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名刺・封筒・角印の発注順

この記事の内容
  1. なぜ発注の順番を間違えると刷り直しになるのか
  2. それぞれ何に使うものか
  3. 発注順序はどうすればいいか
  4. 発注から手元に届くまでどれくらいかかるか
  5. 角印は誰が管理すればいいか
  6. 計算例:印刷物一式の費用を試算する
  7. 文例:印刷会社へのまとめ見積もり依頼
  8. チェックリスト:発注前に確認すること
  9. 次にやること

法人を設立した直後、名刺・封筒・角印・銀行印・ゴム印をどの順番で発注すればいいか迷っている人へ。先に名刺を刷ってしまってから社名の表記を直したくなった、封筒を大量発注した後に電話番号が変わった、という失敗は取り返しがつかない。この記事は、何を先に確定させ、何を後から発注すればよいかに答える。

なぜ発注の順番を間違えると刷り直しになるのか

名刺・封筒には会社名(商号)・本店所在地・電話番号を印刷する。これらは登記簿謄本(履歴事項全部証明書)に記載される内容と完全に一致している必要がある。設立登記の申請書に書いた表記と、実際に法務局で受理された登記事項が1文字でも違うことは通常ないが、電話番号やロゴのように登記事項に含まれない情報は、設立準備の途中で変わることがある。

  • 電話番号:携帯をそのまま使う予定だったのを、クラウドPBXの03番号に変更した
  • ロゴ:仮ロゴで名刺を刷った後、正式ロゴが決まった
  • 住所:バーチャルオフィスから実オフィスへ、設立直後に移転が決まった

角印・銀行印は社名と印影(はんこの見た目)だけが決まれば発注できるため、比較的早く動ける。一方で名刺・封筒は「社名+住所+電話番号+ロゴ」の4つが全部そろってから発注するのが、刷り直しを避ける唯一の方法になる。

それぞれ何に使うものか

設立直後に用意する印刷物・はんこは、用途がそれぞれ違う。

種類 主な用途 法務局への届出義務
実印(代表者印) 契約書・登記関連の重要書類 書面申請では届出が必須、オンライン申請では任意(すでに用意済みの前提)
銀行印 法人口座の開設・小切手・手形 不要(銀行が定める規則に従う)
角印(社印) 請求書・領収書・見積書への押印 不要
ゴム印(住所印) 契約書・請求書の住所欄記入の省略 不要
名刺 対外的な自己紹介 不要
封筒 郵送物一式 不要

実印(代表者印)は設立登記の申請に関わるため、通常はこの記事の対象より前、設立準備の段階で先に発注が済んでいる。なお、2021年2月15日の商業登記規則改正により、登記のオンライン申請では法務局への印鑑届出は任意になった。ただし書面申請では引き続き届出が必須で、オンライン申請でも実務上は届け出るケースが多い(法務省「商業登記規則が改正され、オンライン申請がより便利になりました(令和3年2月15日から)」)。この記事が扱うのは、そこから先、設立直後に整える銀行印・角印・ゴム印・名刺・封筒の5点だ。

発注順序はどうすればいいか

結論から言うと、次の順番で進めると刷り直しのリスクが一番低い。

  1. 銀行印を発注する:社名だけ決まっていれば作れる。法人口座開設の申込みには銀行印の持参・登録が必要になることが多いため(みずほ銀行「法人口座を開設するときに必要な印鑑(法人銀行印)とは?」)、口座開設の予約を入れる前に手元に届いているのが望ましい
  2. 角印を発注する:銀行印と同時発注できるはんこ店・通販が多い。社名の表記(株式会社を前か後ろに置くか等)を最終確認してから発注する
  3. ゴム印(住所印)を発注する:本店所在地・電話番号が確定してから。住所や電話番号が変わる予定があるなら、この段階では発注しない
  4. 名刺・封筒をまとめて発注する:社名・住所・電話番号・ロゴの4点がすべて確定してから。名刺と封筒は同じデータ(社名・住所・電話番号・ロゴ)を使い回せるため、印刷会社が違っても入稿データは共通化できる

角印とゴム印を同時に発注しない理由は、ゴム印には住所・電話番号という「変わりうる情報」が入るのに対し、角印には社名しか入らないためだ。変わりにくい情報から先に確定させ、変わりやすい情報は最後まで待つ、という考え方で順番を組む。

発注から手元に届くまでどれくらいかかるか

はんこ(銀行印・角印)は即日発送や翌日発送に対応する通販が多く、注文から手元に届くまで数日程度が目安になる。名刺・封筒・ゴム印はデータ入稿からの校正・印刷工程が入るため、通販でも数日〜1週間程度、実店舗の印刷会社に依頼するとさらに日数がかかることがある(いずれも業者・繁忙期により幅がある。2026年9月時点の複数の通販サイトの目安を照合)。

法人口座開設の予約日から逆算して、銀行印だけは優先して手配する。名刺は営業活動の開始日、封筒は最初の請求書発送日から逆算して発注日を決めると、当日に間に合わないという事態を避けやすい。

角印は誰が管理すればいいか

角印(社印)には法律上の登録義務がなく、実印のように印鑑証明書と紐づく重要な印鑑ではない。ただし請求書・領収書に押す印として取引先からの信頼に関わるため、次の点は決めておいた方がいい。

  • 保管場所を1か所に決め、誰が持ち出せるかを決める
  • 請求書発行を代表者以外が担当する場合、角印を使わせるか、角印を模した画像データ(電子印影)を発行担当者に渡すかを決める
  • 電子印影を使う場合、実物の角印と印影が同じものであることが分かるよう、発行時期を控えておく

一人社長の段階では管理ルールを大げさにする必要はないが、従業員が増えたタイミングで見直す前提で、最初から保管場所だけは決めておくと後が楽になる。

計算例:印刷物一式の費用を試算する

条件を1つ仮置きして、実際の金額まで出す。以下は複数のはんこ通販・印刷通販サイトの料金表を照合した目安であり、業者・サイズ・素材によって幅があるため、発注前に見積もりを取って確認する必要がある(※2026年9月時点の調査)。なお、銀行印はチタン素材だと同サイズでも6,000円台〜2万円台になり相場が大きく上がるため、ここでは黒水牛(通販相場4,000円台)で試算する。

  • 銀行印(16.5mm丸・黒水牛):4,000円
  • 角印(21mm角・柘植):4,000円
  • ゴム印(住所印・組み合わせ式):3,000円
  • 名刺(100枚・片面カラー):2,000円
  • 封筒(長形3号・100枚・社名印刷):4,000円

合計は次のようになる。

4,000円 + 4,000円 + 3,000円 + 2,000円 + 4,000円 = 17,000円

名刺・封筒を1,000枚単位でまとめて発注すると単価が下がることが多いが、設立直後は情報が変わる可能性を考え、まず少部数(名刺100枚・封筒100枚程度)で発注し、社名変更や移転の予定がないことを確認してから増刷する、という進め方がリスクを抑えられる。

文例:印刷会社へのまとめ見積もり依頼

名刺・封筒・ゴム印は同じデータを使うため、まとめて1社に見積もりを依頼すると効率がいい。

件名:名刺・封筒・ゴム印の一括見積もり依頼(法人設立直後)

○○印刷株式会社 ご担当者様

はじめまして。このたび法人を設立した者です。
下記の印刷物についてまとめて見積もりをお願いできますでしょうか。

1. 名刺:100枚、片面カラー、ロゴデータあり
2. 封筒(長形3号):100枚、社名・住所・電話番号の印刷
3. ゴム印(住所印):組み合わせ式、社名・住所・電話番号

社名・住所・電話番号・ロゴデータは追ってお送りします。
納期の目安と、100枚単位での増減時の単価変化もあわせて
ご教示いただけますと助かります。

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

○○株式会社
代表 ○○
メール:○○○@○○○.com

チェックリスト:発注前に確認すること

  • □ 社名(商号)の正式表記を登記簿謄本(履歴事項全部証明書)と照合した
  • □ 電話番号を確定させた(携帯・050番号・03番号のどれを使うか決めた)
  • □ ロゴが完成している、または名刺には社名のみで発注する方針を決めた
  • □ 近い将来の移転・電話番号変更の予定がないかを確認した
  • □ 銀行印・角印を先に、ゴム印・名刺・封筒を後に、という順番で発注計画を立てた
  • □ 名刺・封筒はまず少部数で発注し、情報が固まってから増刷する計画にした

次にやること

まず社名の正式表記と電話番号の2つを確定させ、銀行印と角印を発注するところから始める。住所・ロゴが固まるまで、名刺と封筒の発注は待つ。

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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