設立のあとまで分かる会社設立ガイド 決める前の疑問から、設立のあとの手続きまで
ホーム › 会社設立は自分でやるか代行に頼むか

会社設立は自分でやるか代行に頼むか

この記事の結論
  • 合同会社の登録免許税は資本金の0.7%か最低6万円の高い方、株式会社は最低15万円(登録免許税法別表第一)
  • 株式会社の定款認証手数料は2024年12月1日の改正で、発起人が自然人3人以下など3条件をすべて満たす場合に限り資本金100万円未満は1万5,000円(条件を満たさなければ3万円、日本公証人連合会)
  • 紙の定款には4万円の収入印紙が必要だが電子定款なら不要(印紙税法)
  • freee会社設立などのクラウドサービスを使うと電子定款の代行手数料(通常5,000円)が無料になるキャンペーンがあり、実質は登録免許税と定款認証手数料のみで済む(2026年9月時点の同社公式サイト確認)
  • 司法書士に会社設立の登記を依頼した場合の報酬相場は5万〜15万円程度、全国平均10万7,887円(日本司法書士会連合会 令和6年3月実施アンケート)。行政書士は登記申請の代理ができず、定款作成単体なら2万〜5万円程度が目安
  • 「0円設立」は税理士の顧問契約とセットになっているケースが多い
この記事の内容
  1. 結論:自分でやると数万円浮くが、代行は「時間」を買う取引
  2. 会社にかかる費用の内訳:合同会社と株式会社で違う
  3. 比較表:自分でやる(紙)・自分でやる(電子定款)・代行に頼む
  4. 自分でやる場合:浮くのは印紙代4万円と代行報酬まるごと
  5. 代行に頼む場合:「0円設立」のからくりに注意
  6. 損益分岐点の考え方:自分の時給×かかる時間 vs 代行報酬
  7. 実体験について、正直に書きます
  8. 次にやること

この記事は、会社設立を自分でやるか代行に頼むかで迷っている人に向けて書いています。 結論から言うと、差が出るのは「かかる費用の合計」ではなく「その差額と、自分の時間のどちらを取るか」です。自分でやれば数万円は浮きますが、浮く金額には上限があります。ここでは登録免許税・定款認証手数料・印紙代の実額と、代行報酬の相場を並べて、損益分岐点の考え方を示します。

こんな状態ではありませんか
  • 自分で設立すれば安くなると聞くが、実際いくら浮くのか分からない
  • 代行に頼むといくらかかるのか、相場が分からず不安
  • 「0円設立」という言葉を見かけたが、本当にタダなのか疑っている

結論:自分でやると数万円浮くが、代行は「時間」を買う取引

自分で会社設立の手続きをすると、代行報酬(相場5万〜15万円程度)がまるごと浮きます。さらに、紙の定款ではなく電子定款で作れば、収入印紙代4万円も不要になります。一方で、代行に頼めば、定款の文面作成・法務局への申請書類作成・印鑑証明書などの必要書類の確認を任せられ、自分の作業時間は大きく減ります。どちらが得かは「浮く金額」と「自分の時間の使い道」のどちらを優先するかで決まります。 以下、実額で見ていきます。

会社にかかる費用の内訳:合同会社と株式会社で違う

会社設立で必ずかかる費用(実費)は、主に次の3つです。

  • 登録免許税:法務局に登記を申請するときに必ずかかる国税。合同会社は資本金の0.7%か6万円の高い方、株式会社は資本金の0.7%か15万円の高い方(登録免許税法別表第一)
  • 定款認証手数料:株式会社は公証役場での定款認証が必須です。2024年12月1日の改正により、①発起人全員が自然人で3人以下、②発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨を定款に記載、③取締役会を置く旨の記載がない、の3条件をすべて満たす場合に限り、資本金100万円未満は1万5,000円になります(条件を満たさない場合は3万円のまま)。100万円以上300万円未満は4万円、300万円以上は5万円です(日本公証人連合会)。合同会社はこの認証自体が不要なため、この費用はかかりません
  • 収入印紙代:紙の定款には4万円の印紙が必要(印紙税法)。ただし電子定款(PDFで作成し電子署名する形式)なら課税対象外で0円になります

つまり、同じ資本金でも合同会社のほうが定款認証手数料の分だけ安く、さらに電子定款にすれば印紙代4万円も浮く、という構造です。

比較表:自分でやる(紙)・自分でやる(電子定款)・代行に頼む

※資本金100万円のケースで試算した目安です。金額は2026年9月時点の税法・公証人手数料令に基づきます。株式会社の定款認証手数料1万5,000円は、発起人が自然人3人以下など3条件をすべて満たす場合の金額です(条件を満たさない場合は3万円)。株式会社の代行報酬は日本司法書士会連合会の調査による全国平均(10万7,887円)を軸にした幅、合同会社の代行報酬(5万〜10万円程度)は同連合会の公式統計が見当たらず、複数の司法書士事務所の公開料金表をもとにした目安です。実際の代行報酬は依頼先により変わります。

合同会社(資本金100万円)

費用項目 自分でやる(紙定款) 自分でやる(電子定款) 代行(司法書士等)に頼む
登録免許税 6万円 6万円 6万円(実費)
定款認証手数料 不要 不要 不要
収入印紙代 4万円 0円 0円(代行側で電子化が一般的)
代行報酬 0円 0円(freee等の利用料は原則無料) 5万〜10万円程度
合計目安 10万円 6万円 11万〜16万円程度

株式会社(資本金100万円)

費用項目 自分でやる(紙定款) 自分でやる(電子定款) 代行(司法書士等)に頼む
登録免許税 15万円 15万円 15万円(実費)
定款認証手数料 1万5,000円 1万5,000円 1万5,000円(実費)
収入印紙代 4万円 0円 0円(代行側で電子化が一般的)
代行報酬 0円 0円(freee等の利用料は原則無料) 8万〜15万円程度(全国平均10万7,887円)
合計目安 20万5,000円 16万5,000円 24万5,000〜31万5,000円程度
ここが要点

紙の定款で自分でやる選択肢は、実額だけ見るとほぼメリットがありません。 電子定款にすれば0円で済む印紙代4万円を、わざわざ払う理由がないためです。自分でやるなら、最初から電子定款対応のクラウドサービスを使うのが前提になります。

自分でやる場合:浮くのは印紙代4万円と代行報酬まるごと

freee会社設立やマネーフォワード会社設立のようなクラウドサービスは、質問に答えていく形で定款や登記申請書類のひな形を作れる仕組みで、利用そのものは無料です。電子定款の作成・認証は提携する行政書士への依頼という形になり、通常5,000円程度の事務手数料がかかりますが、freee会計やfreee人事労務を年間契約すると、この事務手数料が無料になるキャンペーンが公式サイトに掲載されています(2026年9月時点の同社公式サイト確認)。この仕組みを使えば、実質的な出費は登録免許税と(株式会社なら)定款認証手数料だけになり、紙の定款で自分でやるより4万円安くなります。

一方で、登録免許税と定款認証手数料そのものは、自分でやっても代行に頼んでも変わりません。「自分でやって浮くお金」の正体は、印紙代4万円と、代行報酬まるごとの2つだけです。逆に言えば、これ以上は自分でやっても安くなりません。

代行に頼む場合:「0円設立」のからくりに注意

司法書士に会社設立の登記を依頼した場合の報酬相場は5万〜15万円程度で、全国平均は10万7,887円です(発起人2名・資本金500万円の株式会社を発起設立する前提。日本司法書士会連合会「司法書士報酬に関するアンケート」令和6年3月実施)。なお、法務局への登記申請を代理できるのは司法書士だけで、行政書士には認められていません(司法書士法の独占業務)。行政書士に依頼できるのは定款作成や許認可申請などで、定款作成単体の報酬相場は2万〜5万円程度とされています。「会社設立を行政書士に丸ごと依頼できる」とうたうサービスの多くは、実際には登記部分を提携する司法書士に回す仕組みです。こうした報酬相場を背景に、「0円設立」を掲げる代行サービスも増えています。

ここが要点

「0円設立」は、税理士事務所が会社設立の代行報酬を無料にする代わりに、設立後の顧問契約(月額の会計・税務サポート契約)とセットにしている仕組みであることが多いです。設立費用だけを見ると得に見えますが、その後の顧問料が何年も続くことになるため、総額で比べると必ずしも安いとは言えません。契約前に「顧問契約は必須か」「途中で解約できるか」を確認してください。

損益分岐点の考え方:自分の時給×かかる時間 vs 代行報酬

自分でやるか代行に頼むかは、「浮く金額」を「自分の作業時間」で割って、時給換算して考えると判断しやすくなります。

たとえば、合同会社を電子定款で自分でやり、代行報酬10万円を浮かせられるとします。定款の作成・申請書類の準備・法務局とのやり取りに、仮に自分の作業時間が20時間かかるとすれば、時給換算は5,000円です。自分の本業やほかの準備作業の時給がこれより高いと判断できるなら、代行に頼んで時間を確保したほうが合理的、という考え方になります(作業時間は人によって大きく変わるため、ここでの20時間はあくまで仮の数字で、実際の時間は自分で見積もってください)。

逆に、起業準備の初期でまだ本業の収入がなく、時間には比較的余裕があるという状況なら、自分でやって浮かせた分をほかの初期費用(バーチャルオフィスや会計ソフトなど)に回す、という判断もできます。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年に前職を退職し、起業準備を進めている当事者ですが、この記事を書いている時点では、まだ会社設立の登記申請そのものを終えていません。今のところ、紙の定款ではなく、freeeのようなクラウドサービスを使って電子定款で自分で進める方向で比較検討している段階です。理由は単純で、上で書いた通り紙の定款には実額だけ見るとメリットがなく、印紙代4万円を払う理由が見当たらなかったためです。ただし、これは検討段階での判断であり、実際に登記まで終えた一次情報ではありません。手続きを終えた段階で、かかった実際の時間も含めて別記事にまとめる予定です。

次にやること

まず、資本金の額を仮に決めて、上の表の合同会社・株式会社どちらかで実額を出してください。 そのうえで、浮く金額と自分の作業時間を天秤にかければ、自分でやるか代行に頼むかは自然に決まります。

freee会社設立


※本記事は2026年9月時点の法令・公証人手数料令および各社公式サイトの情報整理と、筆者個人の状況に基づくものです。登録免許税・定款認証手数料は法改正により変わることがあるため、申請前に必ず法務局・公証役場の最新情報を確認してください。代行報酬は依頼先により異なるため、必ず見積もりを取ってください。

出典 - 登録免許税法 別表第一(合同会社・株式会社の設立登記にかかる登録免許税) - 日本公証人連合会 公式サイト「定款手数料の改定」(2024年12月1日施行分。1万5,000円は発起人が自然人3人以下等の3条件を満たす場合の金額・確認日2026年9月6日) - 印紙税法(定款の課税・電子定款の非課税) - freee会社設立 公式サイト 電子定款関連ページ(確認日2026年9月6日) - 日本司法書士会連合会「司法書士報酬に関するアンケート」(令和6年3月実施・確認日2026年9月6日) - 司法書士法(登記申請代理は司法書士の独占業務。行政書士による代理は認められない)

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事に関係する無料の道具(登録不要・その場で使える)
あわせて読みたい