設立のあとまで分かる会社設立ガイド 決める前の疑問から、設立のあとの手続きまで
ホーム › eLTAXの使い方
本ページはプロモーションが含まれます

eLTAXの使い方

この記事の内容
  1. eLTAXとは何か|国税のe-Taxとの違い
  2. 設立後、eLTAXで何を申告・届出するのか
  3. PCdeskはWEB版とダウンロード版、どちらを使うか
  4. eLTAXの使い方|利用届出から申告までの手順
  5. 提出期限は自治体で違う|先に確認すること
  6. つまずきやすい点は?
  7. 税理士に依頼している場合はどうなるか
  8. 次にやること

法人を設立すると、国税のe-Taxとは別に、都道府県・市町村への地方税申告が発生する。その窓口になるのがeLTAX(エルタックス)だ。この記事では、設立後にeLTAXで何をする必要があるか、利用届出から申告までの手順を、迷わず進められる順番で示す。

eLTAXとは何か|国税のe-Taxとの違い

eLTAX(地方税ポータルシステム)は、地方税に関する申告・申請・届出・納税をインターネット上で行うためのシステムで、地方公共団体が共同して運営する地方税共同機構が開発・運用している。電子申告をはじめ、サービスの利用は無料とされている(出典: eLTAX公式サイト「eLTAXの概要」。2026年9月確認)。国税(法人税・消費税)の電子申告窓口がe-Taxであるのに対し、地方税(法人住民税・法人事業税など)の電子申告窓口はeLTAXという住み分けになる。

大きな特徴は、複数の都道府県・市町村への提出を一度の送信でまとめて行える点だ。申告データをeLTAXに送信すると、ポータルセンターが宛先ごとに振り分けて各自治体に届ける仕組みになっている(同ソース)。本店と支店が別の自治体にある会社でも、送信自体は1回で済む。

設立後、eLTAXで何を申告・届出するのか

法人を設立すると、地方税の関係で次の手続きが発生する。

手続き 提出先 eLTAX対応
法人設立・事業開始等申告書 都道府県税事務所 対応(電子申請・届出。WEB版でも可)
法人設立・設置届出書 市町村(東京23区は都税事務所) 対応(電子申請・届出。WEB版でも可)
法人住民税・法人事業税の申告(決算後) 都道府県・市町村 対応(電子申告。PCdeskではDL版のみ)
固定資産税(償却資産)の申告 市町村 対応(電子申告。PCdeskではDL版のみ)

(出典: eLTAX公式サイト「電子申請・届出とは」「法人設立・設置届出書 記載要領」「固定資産税(償却資産)を電子申告するには」「PCdeskの特徴と取得方法」。2026年9月確認)

設立直後にまず必要になるのが、上2つの「設立届」にあたる手続きだ。国税の法人設立届出書は税務署宛てだが、地方税の分は都道府県・市町村それぞれに別途提出がいる。この2つも、eLTAXから電子申請・届出として作成・送信できる。eLTAXの公式案内では、電子証明書があれば、利用者IDを取っていなくても、申請・届出書の作成・電子署名・送信ができるとされている。ただし、作成途中のデータをポータルセンタ(eLTAX側)に保存したり、作成済みの届出を見る・編集・複写したりするには、利用者IDでログインする必要がある。自分のパソコンにファイルとして保存して、あとで読み込んで続きを入力することは、利用者IDがなくてもできる(出典: eLTAX公式サイト「ご自身で申請(本人申請)する」、PCdesk(WEB版)ガイド「ログインせずに申請・届出を行う」。2026年9月確認)。

PCdeskはWEB版とダウンロード版、どちらを使うか

eLTAXの手続きは「PCdesk」というソフトを使って行う。WEB版とダウンロード版(DL版)のほか、スマートフォン向けのSP版があり、3種類(SP版はスマートフォンでメッセージを照会するためのもの)に、後述のPCdesk Nextを加えた4種類とも無料で使える(出典: eLTAX公式サイト「PCdeskの特徴と取得方法」。公式ページ本体は直接開けず、検索結果に表示された公式ページの案内文で確認した。2026年9月確認)。DL版のダウンロードには、先に利用届出(新規)を済ませて利用者IDを取っておく必要がある(出典: eLTAX公式サイト「PCdesk(DL版)ガイド」)。DL版の対応OSについては、eLTAX公式のお知らせ「PCdesk(WEB版)及び(DL版)の動作環境へのMicrosoft Windows 11の追加について」で、Windows 11(64bit)が追加され、従来のWindows 8.1・Windows 10でも使えると案内されている(2026年9月に検索結果の案内文で確認)。

WEB版 ダウンロード版(DL版)
インストール 不要(Webブラウザで利用) 必要(パソコンにインストールして利用)
主にできること 利用届出(新規)、電子申請・届出、共通納税 電子申告、共通納税、利用者情報・提出先・手続き情報の変更
法人住民税・法人事業税・償却資産の電子申告 できない できる
向いている人 初めて使う・とりあえず設立届だけ出したい 決算後の申告まで継続して使う

(出典: eLTAX公式サイト「PCdeskの特徴と取得方法」、よくあるご質問「PCdeskのWEB版、DL版およびSP版の違いについて教えてください」。2026年9月確認)

初めての利用で、まず設立届だけを済ませたいなら、インストールが要らないWEB版で完結する。決算後の法人住民税・法人事業税、償却資産の電子申告は、PCdeskではDL版でしかできない。eLTAXには、PCdeskのほかに「PCdesk Next」という新しい申告用ソフトもある。公式の案内文では、令和4年度税制改正大綱を受けた電子申告の拡大に対応するために作られたもので、地方たばこ税・ゴルフ場利用税・入湯税・宿泊税などが対象として挙げられている(出典: eLTAX公式サイト「PCdesk Next 特設ページ」。公式ページ本体は直接開けず、検索結果に表示された案内文で確認した。2026年9月確認)。

利用可能時間にも注意がいる。eLTAXは24時間いつでも使えるわけではない。通常期は平日8:30〜24:00で、土曜・日曜・祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は利用できない。ただし毎月の最終土曜日とその翌日曜日は同じ時間帯(8:30〜24:00)で利用でき、1月15日〜31日は毎日24時間、2月1日〜3月15日は毎日8:30〜24:00の繁忙期運用になる。メンテナンス時間帯は除く(出典: eLTAX公式サイト よくあるご質問「電子申請・届出は夜間や休日も利用できますか」。2026年9月確認)。提出期限の前日の夜や休日に使おうとして稼働時間外だった、という事態を避けるため、期限の数日前には着手しておく。

eLTAXの使い方|利用届出から申告までの手順

初めて使う場合は、次の順で進める。

  1. □ eLTAX公式サイトから「PCdesk(WEB版)」を開く(インストール不要のブラウザ版。利用届出(新規)はWEB版から行う)
  2. □ 「利用届出(新規)」で納税者(法人)を選び、法人名・所在地・メールアドレスなどの利用者情報を入力する。法人番号は必須項目ではないが、入力するよう公式に案内されている(入力すると法人名と所在地を確認できる)。複数の自治体に出す場合でも、利用届出(新規)は主たる提出先1つに対して行えばよい。メールや書面での利用届出は受け付けられていない
  3. □ 利用届出が終わると発行される「利用者ID」を控える(画面を閉じる前にその場で保存しておく。IDは送信結果の画面に表示される)。電子証明書がなくても、利用届出(新規)は「電子署名を省略して送信」で送れる
  4. □ 設立届の電子署名に使う電子証明書を用意する(商業登記に基づく電子証明書、公的個人認証(マイナンバーカード)の電子証明書、日本税理士会連合会認証局の電子証明書、政府共用認証局の電子証明書に対応。Macを使う場合は公的個人認証の電子証明書のみ)
  5. □ PCdesk上で法人設立の届出書(東京都は「法人設立・設置届出書」など、自治体によって名前が違う)を作成し、提出先の自治体を選択して送信する
  6. □ 送信結果(受付番号・受信通知)をPDFやスクリーンショットで保存する

(出典: eLTAX公式サイト「PCdeskの特徴と取得方法」「電子証明書の準備」「利用者IDの取得」「利用届出(新規)のポイント」、PCdesk(WEB版)ガイド「利用届出(新規)を行う」。2026年9月確認)

eLTAXでは、ログインには利用者IDと暗証番号(またはマイナンバーカード。ICカードリーダライタが必要)を使い、申請・届出や申告のデータを送るときは電子証明書で電子署名を行う、と公式に案内されている。電子署名を省略できるのは、確認できた範囲では次の場合に限られる。

  • 利用届出(新規)を送るとき(電子証明書を持っていない場合、または税理士等にデータの作成・送信を任せる場合)
  • 税理士に申告書等の作成・送信を任せている場合(納税者本人の電子証明書は不要)

法人の代表者が役員・職員に署名と送信を委任する電子委任状を付ければ、代表者の署名を受任者の署名に置き換えることもできる。自社で設立届や申告を送る場合は、手順4の電子証明書を送信の前に用意しておく(出典: eLTAX公式サイト「電子申請・届出とは」「電子証明書の準備」「代理人が申請(代理申請)する」「eLTAXにおける電子委任状対応について」。2026年9月確認)。

提出期限は自治体で違う|先に確認すること

都道府県税事務所への設立届(「事業開始等申告書」と総称されるもの)の提出期限と書類の名前は、都道府県ごとに異なる。起点も「設立の日」の県と「事業を開始した日」の県がある。

都道府県 書類名 提出期限
東京都 法人設立・設置届出書 事業を開始した日から15日以内(同局の記載要領では起点を「設立の日以後」と書いており、資料によって表現が異なる)
千葉県 法人等の設立等報告書 設立した日から1か月以内
大阪府 法人設立等申告書 設立した日から2か月以内
神奈川県 法人設立・開設届出書 事業を開始した日から2か月以内(県内に新たに事務所・事業所を開設した場合は開設の日から1か月以内)

(出典: 東京都主税局「法人事業税・法人都民税」「法人設立・設置届出書の記載要領」、千葉県「新たに法人を設立しましたが、県税の届出はどのようになりますか」、大阪府「法人府民税・事業税に関する届出は必要ですか」、神奈川県「県税Q&A 法人県民税・事業税」。各公式ページを2026年9月に確認した。期限は変更されることがあるため、本店所在地の都道府県税事務所のページで最新情報を確認する)

市町村への届出期限は別に定められている。東京都主税局の「法人設立・設置届出書の記載要領」には、設立の日以後の期限として、都税事務所は15日以内、市町村はそれぞれの定めによる旨が書かれている。川崎市の「法人設立・開設届出書」のページには、提出期限の記載がなかった(2026年9月に公式ページを確認。期限は同市の窓口に問い合わせる必要がある)。都道府県分だけ済ませて安心せず、本店所在地と、支店・営業所がある自治体それぞれで期限を確認しておく必要がある。

つまずきやすい点は?

  • 「利用者ID」を控え忘れたときは、eLTAXに登録したメールアドレスで「利用者ID再通知申請」ができる。登録メールアドレスが分からない・使えない場合は、利用届出(新規)をやり直してIDを取り直すことになる(出典: eLTAX公式サイト「利用者IDを忘れたときは」)
  • 電子証明書には有効期限がある。使う予定の証明書は、送信の前に有効期限を見ておく
  • 本店と支店で管轄する都道府県・市町村が異なる場合、送信先の選択を誤ると意図しない自治体に届く。提出先一覧は送信前に見直す作業を挟む
  • 法人番号や所在地の入力は、送信前に見直す。国税庁の法人番号公表サイトで自社の番号を事前に確認しておくと入力ミスを防げる

設立時は税理士や自治体の窓口に、対象になる手続きの一覧を確認しておくと安全だ。

税理士に依頼している場合はどうなるか

eLTAXには、税理士等が納税者に代わって申請・届出を送る「代理申請」の仕組みがある(出典: eLTAX公式サイト「代理人が申請(代理申請)する」。2026年9月確認)。設立直後の「事業開始等申告書」は決算前の手続きのため、【各自確認:設立直後の事業開始等申告書の提出対応が顧問契約の業務範囲に含まれるか。契約書の業務範囲欄、または顧問税理士本人に確認】。誰がどの手続きを担当するかは、契約時に一度確認しておくと二重対応や抜け漏れを避けられる。

個人事業から法人成りした場合も、新しく設立した法人として改めて利用届出が必要になる。eLTAXの利用者IDは法人ごとに1つで、たとえば別の法人の申告をするには、その法人の分として新しい利用者IDを取得する(出典: eLTAX公式サイト「利用届出(新規)のポイント」。2026年9月確認)。

次にやること

まず本店所在地の都道府県税事務所のサイトで、事業開始等申告書の提出期限を確認する。そのうえでeLTAX公式サイトからPCdesk(WEB版)を開き、利用届出(新規)から進める。

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

この記事に関係する無料の道具(登録不要・その場で使える)
あわせて読みたい