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創業期にもらえる補助金・助成金の全体地図

この記事の結論
  • 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉は補助率2/3・補助上限200万円(インボイス特例で+50万円、合計250万円)。ただし対象は「特定創業支援等事業」による支援を市区町村等から受けた日・開業日が公募締切から過去1年以内の事業者に限られる(第4回公募要領第8版、2026年5月27日)
  • 東京都の「創業助成事業」は都内創業予定者・創業5年未満が対象で、助成率2/3以内・上限400万円(東京都報道発表、2026年2月)
  • 助成金は要件を満たせば原則支給、補助金は審査があり不採択もある。どちらも原則返済不要(不正受給時を除く)
  • 日本政策金融公庫の新規開業資金などは「融資」であり返済義務がある、補助金・助成金とは別枠
この記事の内容
  1. 結論:創業期の資金支援は「国の補助金」と「自治体の助成金」の2系統
  2. 比較表:代表的な2制度を並べる
  3. 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉の中身
  4. 見落としやすい条件:「特定創業支援等事業」の支援が前提
  5. 自治体の創業助成事業:東京都を例に
  6. 補助金・助成金・融資はどう違うか
  7. 情報をどこで探すか
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、これから起業する人・創業して間もない人に向けて書いています。 結論から言うと、創業期に使える公的な資金支援は、大きく分けて「国が全国一律で実施する補助金」と「都道府県・市区町村が独自に実施する助成金」の2系統があります。代表格である国の「小規模事業者持続化補助金〈創業型〉」は補助率2/3・補助上限200万円ですが、実は対象者に大きな制約があり、誰でも使えるわけではありません。この記事ではその制約も含めて、一次資料で確認した範囲を整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 起業する前に、もらえる補助金・助成金にどんな種類があるのか知りたい
  • 「補助金」と「助成金」と「融資」の違いがよく分かっていない
  • 自分は対象になるのか、条件を確認せずに調べる時間だけ過ぎている

結論:創業期の資金支援は「国の補助金」と「自治体の助成金」の2系統

創業期に使える公的な資金支援を探すと、名称も条件もバラバラで混乱しがちですが、大枠は次の2つに整理できます。

  1. 国が全国一律で実施する補助金:代表格は「小規模事業者持続化補助金〈創業型〉」。全国の商工会・商工会議所が窓口になり、年に複数回公募があります。
  2. 都道府県・市区町村が独自に実施する助成金:名称・金額・対象者は自治体ごとにバラバラです。東京都の「創業助成事業」(東京都中小企業振興公社が実施)はその代表例ですが、他の自治体では制度自体が無い場合や、内容がまったく異なる場合があります。

両方とも「販路開拓」「創業初期の経費」といった名目で、原則返済不要のお金が出る点は共通しています。ただし、どちらも「誰でももらえる」わけではなく、対象者・時期・提出書類にかなり細かい条件がついています。まずは自分がどの制度の対象になり得るかを、次の比較表で確認してください。

比較表:代表的な2制度を並べる

項目 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉 東京都創業助成事業
実施主体 国(事務局は株式会社日本経営データ・センター、日本商工会議所・全国商工会連合会等が連携) 公益財団法人東京都中小企業振興公社
対象地域 全国 東京都内での創業に限る
補助率・助成率 2/3 2/3以内
上限額 200万円(インボイス特例該当で+50万円、合計250万円) 400万円(下限100万円)
対象者の主な条件 「特定創業支援等事業」による支援を、公募締切時から過去1年以内に受けていること 都内創業予定者、または創業して5年未満の中小企業者等。加えて、TOKYO創業ステーション利用など「指定の創業支援事業」を一定期間(目安3か月以上)利用していることが別途必要
出典 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(第4回)」公募要領・第8版(2026年5月27日公開) 東京都「令和8年度創業助成事業」募集(2026年2月16日発表)TOKYO創業ステーション公式ページ

上限額だけ見ると東京都の制度が大きく見えますが、対象地域が東京都内に限られる点、そして国の制度には「特定創業支援等事業の支援を受けていること」という、見落とされがちな重い条件がある点に注意してください。次の見出しで、この2つの制度をそれぞれ詳しく見ていきます。

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉の中身

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉は、創業後1年以内の小規模事業者等を対象に、経営計画に基づく販路開拓の取組にかかる経費の一部を補助する制度です(中小企業庁「小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(第4回)」公募要領・第8版、2026年5月27日公開)。事務局は株式会社日本経営データ・センターが運営し、商工会・商工会議所が申請の相談窓口になっています。

主な条件は次の通りです(同要領P.7-8)。

  • 補助率:2/3
  • 補助上限:200万円(適格請求書発行事業者=インボイス登録事業者への転換に関する特例に該当する場合、上限額に一律50万円が上乗せされ、合計250万円)
  • 対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインでの展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費
  • 小規模事業者の要件:商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員数5人以下、宿泊業・娯楽業のサービス業と製造業その他は20人以下
  • 一般型(通常枠)との重複申請は不可。過去にこの創業型で採択・実施した事業者は再度の申請対象外

補助金である以上、審査があり不採択になる場合があること、事業実施は自己負担で行い補助金は後払いであることも、同要領の「注意事項」に明記されています。

なお第4回公募のスケジュールは、公募要領公開が2026年5月27日、申請受付開始が2026年11月5日、申請受付締切が2026年12月15日17時です(同要領P.3)。この日程は回によって変わるため、実際に申請する際は必ず最新の公募要領を確認してください。

見落としやすい条件:「特定創業支援等事業」の支援が前提

ここが要点

この補助金で一番見落とされやすいのが、この条件です。「産業競争力強化法に基づく認定市区町村」または「認定市区町村と連携した認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けた日、および開業日(設立年月日)が、公募締切時から起算して過去1年の間であることが申請要件になっています(第4回公募要領P.7)。

平たく言うと、自治体等が実施する創業スクールや創業相談といった「特定創業支援等事業」を実際に受講・利用していないと、この補助金には申請できません。 単に「創業して1年以内」というだけでは対象にならない点に注意してください。

さらに、法人の場合は代表取締役(または代表社員)本人が、個人事業主の場合は本人が、この支援を受けた者であることが条件です(役員や従業員、家族専従者が代わりに受講しても対象外)。過去にこの創業型で採択され事業を実施した事業者は、代表を変えても再度申請できません(同要領P.7)。

「特定創業支援等事業」を実施している自治体・窓口は市区町村ごとに異なるため、自分の開業予定地の市区町村(または産業競争力強化法上の認定市区町村)に、創業支援の窓口があるかを事前に確認しておく必要があります。

自治体の創業助成事業:東京都を例に

自治体独自の創業助成金は全国にありますが、名称・金額・対象者はバラバラで、この記事で全てを網羅することはできません。ここでは代表例として、東京都の「創業助成事業」を確認した範囲で紹介します。

東京都および公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する創業助成事業は、都内開業率の向上を目的に、都内創業予定者、または創業して5年未満の中小企業者等に対し、創業初期に必要な経費の一部を助成する制度です(東京都報道発表、2026年2月16日・令和8年度創業助成事業募集)。

主な条件は次の通りです(同発表、および実施機関であるTOKYO創業ステーションの公式ページ)。

  • 助成対象者:都内での創業を具体的に計画している個人、または創業して5年未満(代表者の経営経験が通算5年未満)の中小企業者等。これに加えて、TOKYO創業ステーションの利用やインキュベーション施設への入居、制度融資の利用、認定特定創業支援等事業の支援など、指定された創業支援事業を一定期間(目安3か月以上)利用していることが別途必要です。法人は都内に本店登記、個人事業主は都内に個人事業税の納税地があることも条件です
  • 助成率:対象経費の2/3以内
  • 助成限度額:上限400万円・下限100万円(事業費・人件費は上限300万円、委託費は上限100万円)
  • 助成対象期間:交付決定日から6か月以上最長2年
  • 応募期間(令和8年度):第1回=2026年4月7日16日、第2回=2026年9月29日10月8日

「都内創業予定者、または創業5年未満」という条件だけを見て安心しがちですが、実際にはTOKYO創業ステーションなど指定の創業支援事業を一定期間利用していることが別途求められる点に注意してください。対象は東京都内での創業に限られるため、他の道府県で創業する場合はこの制度自体が使えません。自分が創業する予定の自治体に、同様の創業助成制度があるかどうかは、その自治体の産業振興課や創業支援窓口に個別に確認する必要があります(自治体によって制度の有無・内容は大きく異なります)。

補助金・助成金・融資はどう違うか

この3つの言葉は混同されがちですが、性質が異なります。

種類 財源・審査の傾向 返済義務 代表例
補助金 国・自治体の予算が財源。事業計画の審査があり、不採択もある 原則不要(不正受給時等を除く) 小規模事業者持続化補助金
助成金 雇用保険料等が財源となる場合が多く、要件を満たせば原則支給される 原則不要(同上) 各種雇用関係助成金、自治体の創業助成事業
融資 金融機関・政府系金融機関からの貸付 あり(利息を付けて返済する) 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金など

補助金と助成金は「返済不要」という点で共通していますが、補助金は審査で不採択になり得るのに対し、助成金は要件を満たせば原則支給される、という審査の性格の違いがあります。

一方、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金などは、あくまで融資であり返済義務があります。「創業資金」という言葉でひとまとめに調べていると、返済不要の補助金・助成金と、返済が必要な融資が同じ棚に並んで見えてしまうため、この3つは制度名を見るたびに「返済の要・不要」を確認する習慣をつけておくと混同を避けられます。

情報をどこで探すか

この記事で扱った制度以外にも、業種・地域・目的によって使える補助金・助成金は変わります。網羅的に探す場合、次のような公的な検索窓口があります。

  • 中小企業庁が運営する「ミラサポplus」の補助金・支援策検索
  • 独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「J-Net21」の支援情報検索
  • 開業予定地の市区町村・都道府県の産業振興課の窓口(前述の「特定創業支援等事業」の実施有無もここで確認できます)

補助金・助成金の情報は年度・回によって内容が変わるため、この記事に書いた金額・期日はあくまで確認した時点(2026年9月)のものです。実際に申請する際は、必ず各制度の最新の公募要領・募集要項を確認してください。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年に前職を退職し、現在は起業準備を進めている段階で、この記事を書いている時点ではまだ法人の設立登記を完了していません。したがって、小規模事業者持続化補助金〈創業型〉や自治体の創業助成事業に、実際に自分で申請した経験はありません。ここに書いた内容は、体験の記録ではなく、公募要領や東京都の公式発表を確認した範囲での整理です。

調べる前は「創業して1年以内なら誰でも申請できる」くらいのイメージでいましたが、実際には「特定創業支援等事業による支援を、公募締切から過去1年以内に受けていること」という条件が前提にあり、単に開業しているだけでは対象にならないと知って、認識が甘かったと感じました。自分が実際に開業準備を進める段階になったら、まず自分の開業予定地に「特定創業支援等事業」の窓口があるかどうかを確認するところから始めるつもりです。

次にやること

まず、自分が開業する(予定の)市区町村に、産業競争力強化法上の「特定創業支援等事業」を実施している窓口があるかどうかを、その市区町村の産業振興課に問い合わせてください。この支援を受けていることが、小規模事業者持続化補助金〈創業型〉の申請条件になります。同時に、開業予定地の都道府県・市区町村に、東京都の創業助成事業のような独自の創業助成制度がないかも合わせて確認してください。

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

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