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社名変更の手続きと費用

この記事の結論
  • 商号は定款の絶対的記載事項(会社法27条2号)のため、社名変更にはまず定款変更が要る。株式会社は株主総会の特別決議(会社法309条2項11号・466条)、合同会社などの持分会社は原則として総社員の同意(会社法637条)で足りる
  • 変更登記は変更が生じてから2週間以内(会社法915条1項)、怠ると代表者個人に100万円以下の過料の可能性(会社法976条1号)
  • 商号変更登記の登録免許税は本店移転などとは別区分で一律3万円(登録免許税法別表第一・二十四)、司法書士に依頼した場合の報酬は公的な統一基準がなく事務所により2〜3万円程度とする例が多い(2026年9月調査)
この記事の内容
  1. 結論:定款変更→登記→契約先の直しの順で進む
  2. まず定款を変える:株式会社と合同会社で決め方が違う
  3. 商号変更登記の進め方と費用
  4. 社名変更 費用の総額計算例と登記の手順(株式会社)
    1. 計算例:自分で申請する株式会社の場合
    2. 登記の手順(株式会社)
    3. 新しい社名で詰まりやすいところ
  5. 法人実印・印鑑証明書はどうなるか
  6. 銀行口座の名義変更
  7. 取引先との契約はどう直すか
  8. そのほかに直す先(税務署・名刺・Webサイトなど)
  9. 実体験について、正直に書きます
  10. 次にやること

この記事は、会社の社名(商号)を変えることを決めた・検討している経営者に向けて書いています。 結論から言うと、社名変更は「定款を変える→法務局に登記する→印鑑・口座・契約先を直す」の3段階で進み、登記そのものに登録免許税3万円がかかります。この記事では、どの順番で何をすればいいかを、根拠になる条文と金額付きで整理します。

社名変更の費用のうち、法律で金額が決まっていて避けられないのは登録免許税の3万円だけです。これに証明書代(数百円ずつ)と、新しい実印を作る場合の実印代が加わります。自分で申請する株式会社なら、総額は5万円前後が目安です(計算は「社名変更 費用の総額計算例と登記の手順」に載せています)。司法書士に頼むと報酬2〜3万円程度が上乗せされます。看板や名刺などの刷り直しは会社ごとに差が大きく、公的な相場はありません。

こんな状態ではありませんか
  • 社名を変えたいが、何から手をつければいいか分からない
  • 登記にいくらかかるのか、司法書士に頼むと総額どれくらいになるのか知りたい
  • 印鑑や銀行口座、取引先との契約まで、直す先が多すぎて漏れが怖い

結論:定款変更→登記→契約先の直しの順で進む

社名(商号)を変える手続きは、大きく3段階に分かれます。

  1. 定款変更:商号は定款に必ず書く事項なので、社名を変えるにはまず定款を変える手続きが要る
  2. 変更登記:法務局に商号変更登記を申請する。登録免許税がかかる
  3. 契約先の直し:印鑑、銀行口座、取引先との契約、税務署などへの届出を直す

登記が終われば社名変更そのものは完了しますが、実務としては3番目の「契約先の直し」が一番時間もかかり、抜けが起きやすい部分です。この記事では順番に見ていきます。

まず定款を変える:株式会社と合同会社で決め方が違う

商号は会社法27条2号により定款の絶対的記載事項とされています。つまり社名を変えるということは、定款そのものを変えるということです。定款変更の決め方は会社の種類によって異なります。

会社の種類 定款変更の決め方 根拠条文
株式会社 株主総会の特別決議(議決権の過半数が出席し、うち3分の2以上の賛成が原則) 会社法309条2項11号・466条
合同会社などの持分会社 原則として総社員の同意(定款に別段の定めがあれば緩和も可) 会社法637条

株式会社は株主総会を開いて特別決議を取る必要があるため、招集通知の準備などを含めて日数がかかります。一方、合同会社は総社員の同意で足りるため、社員(出資者)が少人数であれば手続きは早く進みます。

ここが要点

定款変更を決議しただけでは社名は変わりません。この決議のあとに法務局への変更登記が必要です。次の章で費用を含めて説明します。

商号変更登記の進め方と費用

定款変更を決議したら、本店所在地を管轄する法務局に商号変更登記を申請します。会社法915条1項により、登記事項に変更が生じたときから2週間以内に登記をしなければなりません。正当な理由なく怠ると、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法976条1号)。

登記にかかる費用は次の通りです。

項目 金額 根拠・備考
登録免許税(商号変更登記) 3万円 登録免許税法別表第一・二十四号。資本金の額に関わらず定額
履歴事項全部証明書(登記事項証明書) 書面請求600円、オンライン請求は窓口交付490円・送付520円 法務省「登記手数料について」(令和7年4月1日改定)
司法書士への依頼(申請のみ) 2〜3万円程度とする事務所が多い 司法書士報酬は平成15年の報酬基準廃止以降、各事務所が自由に設定しており公的な統一相場はない。複数の司法書士事務所・法人登記代行サービスが公表している金額を確認した範囲での目安(2026年9月確認)

同時に本店移転など別の登記事項も変更する場合は、区分ごとに登録免許税が加算されます(例:商号変更3万円+本店移転3万円=6万円)。自分で申請書を作れば司法書士報酬は不要ですが、定款の記載や添付書類に不備があると補正のやり取りで日数がかかるため、期日が迫っている場合は依頼も選択肢になります。司法書士に依頼する場合、登録免許税3万円に報酬2〜3万円が加わり、総額5〜6万円程度になる例が多いようです。

社名変更 費用の総額計算例と登記の手順(株式会社)

計算例:自分で申請する株式会社の場合

前提は次のとおりです。株式会社で、本店移転などは同時にしない。履歴事項全部証明書と印鑑証明書は書面請求で各2通。法人の丸印(代表者印)を新しく作る。丸印の価格は上の表の「2万円前後」を仮置きしています。

項目 計算 金額
登録免許税 定額 30,000円
履歴事項全部証明書 600円×2通 1,200円
印鑑証明書 500円×2通 1,000円
新しい丸印 仮置き 20,000円
合計 52,200円

司法書士に申請を頼む場合は、ここに報酬2〜3万円程度が加わり、72,200〜82,200円程度になります。看板・名刺・封筒・社用車などの刷り直しは含んでいません。

登記の手順(株式会社)

  1. 新しい商号を決め、同じ本店住所に同じ商号の会社がないか、法務局の登記情報などで調べる
  2. 株主総会を開き、定款の商号を変える特別決議をして、議事録を作る
  3. 株主の氏名・住所・議決権数を書いた「株主リスト」を作る
  4. 変更登記申請書を作る(登記の事由は「商号の変更」。法務局が様式と記載例を公開している)
  5. 申請書・株主総会議事録・株主リストを揃える(司法書士に頼む場合は委任状も)
  6. 登録免許税3万円分の収入印紙を申請書に貼る
  7. 本店所在地の管轄法務局へ、決議から2週間以内に出す(窓口・郵送・オンライン)

添付書類は、法務局の株式会社(商号の変更)の記載例による(法務局「株式会社(商号の変更)」記載例、2026年10月確認)。合同会社の添付書類は、様式のPDFを読み取れず確認できていないため、管轄の法務局の案内で確かめてください。

新しい社名で詰まりやすいところ

登記で止まりやすいのは、新しい商号が使えない場合です。次の決まりがあります。

  • 株式会社は商号に「株式会社」の文字を使う(会社法6条2項)
  • 他の種類の会社と誤認させる文字は使えない(会社法7条2項)
  • 同じ本店住所に、同じ商号の会社があると登記できない(商業登記法27条)
  • 不正の目的で、他の会社と誤認させる商号を使うことは禁じられている(会社法8条)

決議のあとで商号が使えないと分かると、議事録を作り直すことになります。商号は決議の前に調べておくのが安全です。

法人実印・印鑑証明書はどうなるか

法務局に登録している会社の実印(登記印鑑)は、印影の中に社名が彫り込まれていることがほとんどです。社名が変わると印影と登記事項が一致しなくなるため、多くの場合は実印を作り直して法務局に再度届け出ることになります。

  • 実印の作成費用:印鑑店ごとに独自に価格を設定しており公的な統一相場はない。複数のネット印鑑店の公表価格を確認した範囲では、個人の実印で数千円台〜1万円程度、会社の丸印(代表者印)で2万円前後とする例もある(2026年9月確認)
  • 新しい実印の印鑑(改印)届出は、変更登記の申請と同時に行うのが一般的
  • 印鑑証明書の発行手数料:書面請求500円、オンライン請求は窓口交付420円・送付450円(法務省「登記手数料について」令和7年4月1日改定)

印鑑証明書は、この後の銀行口座の名義変更や取引先への提出書類として何通も使うことになるため、まとめて必要枚数を取得しておくと窓口に何度も行かずに済みます。

銀行口座の名義変更

法人の銀行口座は、社名変更登記が完了したあと、取引銀行の窓口で名義変更の手続きを行います。一般的に必要とされる書類は次の通りです(銀行により差があるため、実際の取引店に確認が要ります)。

  • 変更後の履歴事項全部証明書
  • 新しい会社実印の印鑑証明書
  • 通帳・銀行届出印(変更する場合は新旧両方)
  • 来店する担当者の本人確認書類

注意したいのは、口座名義が新しい社名に切り替わった時点で、旧社名宛の振込がエラーになる可能性があることです。取引先への社名変更の通知は、口座名義変更の前後で漏れなく行う必要があります。名義変更の受付期限は銀行ごとに運用が異なり、全国共通の統一ルールは公表されていないため、早めに取引店へ確認してください。

取引先との契約はどう直すか

継続中の契約書に記載された社名も、契約当事者を特定する情報である以上、実態に合わせて直しておく必要があります。

  • 継続する契約:社名変更を通知したうえで、覚書(社名変更に関する覚書)を取り交わすのが一般的
  • 請求書・領収書:発行日以降は新しい社名で発行する。変更登記日をまたぐ請求は、どちらの社名を使うか取引先とすり合わせる
  • 賃貸借契約・リース契約・保険契約など:契約書に定められた通知方法(書面での届出など)に従って、貸主・保険会社などに連絡する

契約書の書き換えそのものに法律上の期限は設けられていませんが、放置すると請求書の宛名や振込先の不一致でトラブルになりやすいため、登記完了後は速やかに主要な取引先から順に進めるのが実務的です。

そのほかに直す先(税務署・名刺・Webサイトなど)

法人としての届出や、対外的な表示物も直す対象になります。

直す先 内容
税務署 異動届出書の提出(納税地の所轄税務署)
年金事務所・労基署 社会保険・労働保険の名称変更の届出
名刺・封筒・請求書のフォーマット 印刷物の刷り直し
会社のWebサイト・SNSアカウント 表記の一括変更、旧社名での検索流入への対応
各種契約(電気・通信・リースなど) 契約者名義の変更手続き

税務署への提出書類は「異動届出書」という名称で、国税庁の公式サイトで様式が公開されています(国税庁「C1-8 異動事項に関する届出」)。届出先ごとに提出期限や必要書類が異なるため、税務署以外については詳細を各機関の公式ページで確認してください。

実体験について、正直に書きます

このテーマ(社名変更)について、本人の実体験はまだありません。会社設立自体を検討している段階で、実際に商号を変更した経験はないため、この記事は条文と各機関の公式情報を調査した範囲でまとめています。実際に手続きを進めた際に、想定外のつまずきがあれば追記します。

次にやること

社名変更を決めたら、まず会社の種類(株式会社か合同会社か)に応じた定款変更の決議(株主総会の特別決議、または総社員の同意)を行い、その決議から2週間以内に本店所在地の法務局へ商号変更登記を申請する段取りを作ってください。

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会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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