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法人税・消費税の納付方法比較

この記事の結論
  • 振替納税は個人の所得税・消費税(個人事業者)専用の制度で、法人税・法人の消費税では使えない(国税庁「G-2-1」)
  • 法人が使える主な納付方法はダイレクト納付・クレジットカード納付・コンビニ納付(QRコード)・インターネットバンキング・現金納付の5つ
  • ダイレクト納付は手数料無料で、上限も金融機関が定める取扱可能金額の範囲内(みずほ銀行など999億9999万9999円以下が多く実質的に高額でも利用可)だが、法人は書面提出のみで利用開始まで約1か月かかる(国税庁「G-2-2」)
  • クレジットカード納付は決済手数料が1万円ごとに99円(税込)かかり、納付額1,000万円未満が上限(国税庁「クレジットカード納付のQ&A」)
  • コンビニ納付(QRコード)は30万円以下が上限で手数料は不要(国税庁)
この記事の内容
  1. 結論:法人はまずダイレクト納付を検討する
  2. 法人税・消費税で使える納付方法一覧
  3. 見落としがちな注意点:振替納税は法人では使えない
  4. ダイレクト納付を始める手順
  5. クレジットカード納付の手数料はいくらか【計算例】
  6. 自社に合う納付方法を選ぶチェックリスト
  7. 納期限に間に合わないときの相談文例
  8. 次にやること

この記事は、法人税や消費税の納付方法をこれから決める法人の経理担当者・経営者に向けて書いています。 結論から言うと、法人が使える納付方法は5つあり、その中で最初に検討すべきはダイレクト納付です。そして最も見落とされやすいのは「振替納税は法人では使えない」という制限です。

こんな状態ではありませんか
  • 個人事業主だった頃は振替納税を使っていたが、法人化したら同じ方法が使えるか分からない
  • クレジットカード納付を使いたいが、手数料がいくらかかるのか計算していない
  • 資金繰りの都合で、納期限ぎりぎりまで納付方法を決めきれていない

結論:法人はまずダイレクト納付を検討する

法人税・消費税(法人)の納付方法は、大きく分けて「ダイレクト納付」「クレジットカード納付」「コンビニ納付(QRコード)」「インターネットバンキング」「金融機関・税務署の窓口での現金納付」の5つがあります。国税庁は電子納税を推進しており、その中心に位置づけられているのがダイレクト納付です(国税庁「G-2-2 ダイレクト納付の手続」)。手数料がかからず、上限も金融機関が定める取扱可能金額の範囲内(みずほ銀行など999億9999万9999円以下としている金融機関が多く、実質的に高額の納税でも利用できる。国税庁「利用可能金融機関一覧(ダイレクト納付)」)なので、法人の納税額が大きくなりやすいことを踏まえると、最初の選択肢として検討する価値があります。ただし、法人は書面での事前届出が必要で、即日使えるわけではない点は後述します。

法人税・消費税で使える納付方法一覧

以下は法人税・消費税(法人)を対象に整理した比較表です。個人の所得税・消費税(個人事業者)にのみ使える振替納税は、比較のために参考として1行加えています。

納付方法 事前手続き 手数料 上限金額 対象税目
ダイレクト納付 必要(「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」の提出。法人は書面提出のみで利用開始まで約1か月) なし 金融機関が定める取扱可能金額の範囲内(多くの金融機関で999億9999万9999円以下) 法人税・消費税を含む電子申告対象税目
クレジットカード納付 不要(その都度手続き) あり(1万円ごとに99円・税込) 1,000万円未満 法人税・消費税を含む複数税目
コンビニ納付(QRコード) 不要(国税庁サイトでQRコード作成) なし 30万円以下 法人税・消費税を含むほぼ全税目(印紙納付が必要なものなどは対象外)
インターネットバンキング(ペイジー) 必要(e-Taxの利用開始手続き+金融機関のインターネットバンキング口座開設) 国税分は不要(ただし金融機関側の振込・利用手数料が別途かかる場合がある) 金融機関の契約内容による 法人税・消費税を含む電子申告対象税目
金融機関・税務署窓口での現金納付 不要 なし なし 全税目
(参考)振替納税 必要(依頼書の提出) なし なし 所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)のみ。法人税・法人の消費税は対象外

出典:国税庁「G-2-1 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付」、国税庁「G-2-2 ダイレクト納付の手続」、国税庁「利用可能金融機関一覧(ダイレクト納付)」、国税庁「G-2-3 インターネットバンキング等からの納付手続」、国税庁「クレジットカード納付のQ&A」、国税庁「No.9209-2 コンビニ納付(QRコード)」(いずれも2026年9月8日確認)

見落としがちな注意点:振替納税は法人では使えない

個人事業主として振替納税を使っていた人が法人成りすると、そのまま同じ感覚で「口座からの自動引き落とし」を期待してしまうことがあります。しかし振替納税は、国税庁のページ名がそのまま示す通り「申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)」専用の制度で、法人税・法人の消費税には制度自体が存在しません(国税庁「G-2-1」)。

ここが要点

法人が「口座から自動で引き落としたい」場合の代わりになるのがダイレクト納付です。振替納税とダイレクト納付は名前が似ていて混同されがちですが、対象者(個人か法人か)と手続き(振替納税は依頼書、ダイレクト納付は「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」)が別物です。法人成りのタイミングで、経理担当者への引き継ぎ漏れが起きやすい箇所なので注意してください。

ダイレクト納付を始める手順

  1. e-Taxの利用開始手続き(利用者識別番号の取得)を済ませる(すでに電子申告をしている法人は取得済み)
  2. 「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」を作成する。国税庁ホームページから様式を入手できる。法人はオンライン提出ができず、書面提出のみ(オンライン提出が使えるのは個人のみ)
  3. 届出書を、口座のある金融機関の確認印をもらった上で、所轄の税務署に提出する(郵送または持参)
  4. 書面提出の場合、利用開始までおおむね1か月程度かかる(国税庁「G-2-2 ダイレクト納付の手続」)
  5. 利用開始後は、電子申告した税額に対して、e-Tax上で「今すぐ納付」または「日時を指定して納付」を選ぶだけで口座振替が完了する

申告期限の直前に届出書を出すと、1か月の処理期間に間に合わない可能性があります。 決算月が固まったタイミングで、早めに提出しておくことをおすすめします。

クレジットカード納付の手数料はいくらか【計算例】

クレジットカード納付の決済手数料は、納付額10,000円ごとに99円(税込)が加算される階段式です(国税庁「クレジットカード納付のQ&A」)。実際に計算してみます。

前提:法人税の納付額が100万円(1,000,000円)の場合

  • 10,000円ごとの区分数:1,000,000円 ÷ 10,000円 = 100区分
  • 決済手数料:100区分 × 99円 = 9,900円
  • 実際にクレジットカードに請求される合計額:1,000,000円 + 9,900円 = 1,009,900円

同じ計算式で、消費税の納付額が300万円の場合は、300区分 × 99円 = 29,700円の手数料がかかります。ポイント還元率が手数料率(おおむね0.99%)を上回るカードでなければ、ダイレクト納付や振込より単純に高くつく計算になります。手数料を払ってでも「今すぐカードの与信で払いたい」「支払いを翌月以降にずらしたい」という資金繰り上の理由がある場合に選ぶ方法、と位置づけておくと判断しやすくなります。

なお、クレジットカード納付には1回の手続きにつき1,000万円未満(決済手数料込み)という上限があるため、税額がそれ以上になる法人はそもそも選べません(国税庁「クレジットカード納付のQ&A」)。

自社に合う納付方法を選ぶチェックリスト

納付方法を決める前に、次を1つずつ確認してください。

  • □ 納付税額は1,000万円以上になる見込みか(なる場合、クレジットカード納付は選べない)
  • □ 決算月の直後で、ダイレクト納付の届出提出から利用開始まで日数の余裕があるか
  • □ すでにe-Taxで電子申告をしているか(していない場合、ダイレクト納付・インターネットバンキング納付の準備が別途必要)
  • □ クレジットカードのポイント還元率が、手数料率(おおむね1万円あたり0.99%)を上回るか
  • □ 納付額が30万円以下で、コンビニ納付(QRコード)で十分に収まる金額か
  • □ 資金繰り上、納付日を数日〜数週間先に指定したい事情があるか(ダイレクト納付は日時指定が可能)

納期限に間に合わないときの相談文例

資金繰りの都合でダイレクト納付の準備や納付そのものが期限に間に合いそうにない場合、放置せず所轄の税務署に早めに相談することが重要です。期限を過ぎると延滞税がかかります(国税通則法第60条)。税率は年ごとに見直され、2026年(令和8年)分は、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%、それ以降は年9.1%です(国税庁「延滞税の割合」、2026年9月8日確認)。電話で相談する際の文例です。

お世話になっております。
[法人名]の[担当者名]と申します。

[税目]の納付につきまして、資金繰りの都合により
納期限([納期限日])までの納付が難しい見込みです。

現時点で[見込み時期]頃には納付できる見通しですが、
どのような手続き・相談が可能か、事前にご案内いただけますでしょうか。

法人番号:[法人番号]
連絡先:[電話番号]

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

期限内に自分から連絡を入れておくことと、何も言わずに期限を過ぎることの間には大きな差があります。まず電話で状況を伝える、という行動自体が最初の一歩です。

次にやること

まず、今期の申告期限までにダイレクト納付の届出書を税務署に提出できるか、日程を確認してください。 届出さえ済ませておけば、納付額が1,000万円を超えても手数料をかけずに口座振替できます(金融機関が定める取扱可能金額の範囲内)。クレジットカード納付やコンビニ納付は、届出が間に合わなかった場合の代替手段として覚えておく位置づけで十分です。


※本記事は2026年9月時点で国税庁公式サイトを確認した内容に基づく一般的な情報整理です。手数料率・上限額・手続きの詳細は変更される可能性があるため、実際の納付前には国税庁ホームページまたは所轄の税務署で最新情報を確認してください。個別の税務判断は税理士にご相談ください。

出典 - 国税庁「G-2-1 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24100020.htm - 国税庁「G-2-2 ダイレクト納付の手続」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/index.htm - 国税庁「利用可能金融機関一覧(ダイレクト納付)」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/kinyu.htm - 国税庁「G-2-3 インターネットバンキング等からの納付手続」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_denshi.htm - 国税庁「クレジットカード納付のQ&A」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/credit_qa.htm - 国税庁「No.9209-2 コンビニ納付(QRコード)」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9209-2.htm - 国税庁「延滞税の割合」(2026年9月8日確認) https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai_wariai.htm - 国税通則法第60条(延滞税の規定)

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執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

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