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減価償却資産の耐用年数表の読み方

この記事の内容
  1. 耐用年数表とは何か|勝手に年数を決められない理由
  2. 耐用年数表はどういう構造になっているか
  3. パソコンの耐用年数は何年か
  4. 車の耐用年数は何年か
  5. 減価償却費はどう計算するのか
  6. 計算例|中古の普通自動車を買ったら耐用年数は何年になるか
  7. 耐用年数を間違えるとどうなるか
  8. 耐用年数を調べるときのチェックリスト
  9. 次にやること

耐用年数は資産の種類ごとに国が「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和40年大蔵省令第15号)で定めていて、勝手に決めることはできない。この記事は、耐用年数表がどういう構造になっているか、パソコンと車が具体的に何年になるか、中古で買った場合はどう計算するかを、条文と計算例で示す。

耐用年数表とは何か|勝手に年数を決められない理由

減価償却とは、パソコンや車のように何年も使う資産の購入代金を、購入した年に全額経費にせず、使用できる期間に分けて少しずつ経費にしていく会計処理である。この「使用できる期間」を資産の種類ごとに一律で定めたものが法定耐用年数で、財務省令「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の別表に、資産の種類・構造・用途ごとの年数が一覧になっている。

耐用年数を実際の使用感覚(まだ使えそうだから長め、すぐ壊れそうだから短め)で自分で決めることはできない。耐用年数は財務省令で定めるところによる、と所得税法施行令129条・法人税法施行令56条が定めているため(e-Gov法令検索の原文で確認、2026年9月)、同じ種類の資産であれば、どの事業者が申告しても同じ年数で計算する前提になっている。

耐用年数表はどういう構造になっているか

耐用年数の原典は、省令の別表第一(機械及び装置以外の有形減価償却資産)である。国税庁の確定申告書等作成コーナーには、この別表から主なものを抜き出した「耐用年数表」があり、建物・建物附属設備、構築物、車両・運搬具・工具、器具・備品、機械・装置と、資産の種類ごとにページが分かれている。表の中は「構造・用途」→「細目」→「耐用年数」の順に並んでいる。表に載っていない資産は「財務省令の別表を確認してください」と耐用年数表のページに案内がある(国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数表」令和7年分のページ。2026年9月確認)。

階層 何を指すか
種類 資産の大分類 器具及び備品/車両及び運搬具/建物 など
構造・用途 種類の中の使い方の区分 事務機器及び通信機器/前掲のもの以外のもの(国税庁の表では「一般用のもの」) など
細目 具体的な資産名 パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く)/自動車 など
耐用年数 細目に対応する年数 4年/6年 など

自分が買った資産の耐用年数を調べるときは、この4段階を上から順にたどる。いきなり「パソコン 耐用年数」で検索して出てきた年数を鵜呑みにするより、この階層のどこに当たるかを確認したほうが、区分違いの間違いに気づきやすい。

パソコンの耐用年数は何年か

パソコンは「器具及び備品」の中の「2 事務機器及び通信機器」区分に入り、さらに次のように分かれる(減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一。e-Gov法令検索の原文で確認、2026年9月)。

細目 耐用年数
パーソナルコンピュータ(サーバー用のものを除く) 4年
電子計算機のうち上記以外のもの(サーバー用など) 5年

事務所で1人1台使うようなノートパソコン・デスクトップパソコンは、通常「サーバー用のものを除く」に当たるため4年になる。社内で他の端末からアクセスされる用途で使うサーバー機は5年区分になる点が分かれ目になる。「サーバー用のもの」に当たる範囲は、国税庁の耐用年数通達の「器具及び備品」の節と通達の付表を調べた範囲では、定めが見当たらない(2026年9月確認)。使い方の線引きに迷うときは、顧問税理士に確認したほうが安全である。

なお、青色申告者(中小企業者等)が令和8年(2026年)4月1日以後に取得した取得価額40万円未満のパソコンは、少額減価償却資産の特例により、年間合計300万円までを購入した年に全額経費にでき、そもそも耐用年数表を使う場面自体が発生しない。令和8年3月31日までに取得したものは30万円未満が基準だった。令和8年度税制改正で基準が40万円未満に上がり、常時使用する従業員が400人を超える法人は対象から外れ、適用期限は3年延長されている(租税特別措置法28条の2・67条の5。出典: 財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」。いずれも原文で確認、2026年9月。この特例の要件は「少額減価償却資産の特例|30万円未満を一括経費にする」で扱っている)。

車の耐用年数は何年か

車は「車両及び運搬具」のうち、省令別表第一では「前掲のもの以外のもの」(国税庁の耐用年数表では「一般用のもの」)の区分に入り、車種ごとに次のように分かれる(減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一。e-Gov法令検索の原文で確認、2026年9月)。

細目 耐用年数
自動車のうち小型車(総排気量0.66リットル以下。軽自動車はここ) 4年
貨物自動車のうちダンプ式のもの 4年
貨物自動車のうちその他のもの 5年
報道通信用の自動車 5年
自動車のうち上記以外(乗用の普通自動車など) 6年
2輪・3輪自動車 3年

営業などで使う乗用の普通自動車は6年、軽自動車は4年で計算する。貨物自動車も総排気量0.66リットル以下の小型車に当たれば4年になる。運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用は別の区分になり、小型車(貨物は積載量2トン以下、その他は総排気量2リットル以下)3年、大型乗用車(総排気量3リットル以上)5年、その他4年、乗合自動車5年と、年数も小型車の定義も上の表とは違う。消防車・タンク車・レッカーなどの特殊自動車も別の区分である。上の表がそのまま当てはまるのは、これらを除く一般的な業務用に使う場合に限られる(同省令別表第一、国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(車両・運搬具/工具)」。2026年9月確認)。

減価償却費はどう計算するのか

耐用年数が分かったら、その年数をもとに定額法・定率法のどちらかで年間の減価償却費を計算する。どちらの方法を選べるか、実際の計算式は「減価償却の基本|定率法と定額法どちらを選ぶか」で扱っている。この記事では、耐用年数そのものの調べ方までを対象にする。

計算例|中古の普通自動車を買ったら耐用年数は何年になるか

新車ではなく中古で資産を買った場合、上の表の年数(法定耐用年数)をそのまま使うのではなく、その資産があと何年使えるかを見積もり直す。耐用年数省令3条1項は、中古資産の耐用年数を「事業に使い始めた時以後の使用可能期間」の見積りによるのを原則とし、その見積りが困難な場合に限って、次の簡便法を認めている(同条、国税庁タックスアンサーNo.5404「中古資産の耐用年数」。原文で確認、2026年9月)。

  • 法定耐用年数の全部を経過した資産:法定耐用年数 × 20%
  • 法定耐用年数の一部を経過した資産:(法定耐用年数 − 経過年数) + 経過年数 × 20%
  • 計算結果に1年未満の端数が出たら切り捨て、2年に満たない場合は2年とする

前提を1つ仮置きする。登録から3年が経過した中古の普通自動車(法定耐用年数6年)を事業用に購入した場合。

  • 法定耐用年数:6年
  • 経過年数:3年(法定耐用年数の一部を経過)
  • 簡便法の計算:(6年 − 3年) + 3年 × 20% = 3年 + 0.6年 = 3.6年
  • 1年未満の端数を切り捨て:耐用年数3年

この耐用年数3年をもとに、定額法または定率法で年間の減価償却費を計算する。新車で買うより早いペースで経費化できる計算になる点が、中古の営業車をあえて選ぶ判断材料になることもある。

なお、簡便法が使えるのは、その中古資産を事業に使うために支出した資本的支出(修理・改造の費用)が、中古資産の取得価額の50%以下の場合に限られる(耐用年数省令3条ただし書、タックスアンサーNo.5404)。50%を超えると簡便法は使えない。さらに、その資本的支出が再取得価額(同じ新品を買うときの価額)の50%を超えるときは、法定耐用年数によることになる(同No.5404)。大きく手を入れた中古資産を買った場合は個別に確認したほうがよい。

耐用年数を間違えるとどうなるか

耐用年数を実際より短く見積もって計算すると、本来より多い減価償却費を経費に計上したことになり、税務調査で修正を求められると過少申告加算税(国税通則法65条)の対象になり得る。税率は、新たに納める税金に対して10%(当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%)である。調査の事前通知の前に自主的に修正申告したときはかからず、事前通知の後でも調査による更正を予知する前の修正申告なら5%(同じ基準額を超える部分は10%)になる(国税庁タックスアンサーNo.2026「確定申告を間違えたとき」。原文で確認、2026年9月)。逆に長く見積もると、経費にできるはずの金額を先送りしてしまい、その年の税負担が本来より重くなる。どちらの方向に間違えても、あとから修正するより先に区分を確認しておくほうが手間が少ない。

区分の判断に迷う資産(用途が複数にまたがる機械、特殊な設備など)は、耐用年数表の細目だけで決めつけず、顧問税理士に確認したほうが安全である。

耐用年数を調べるときのチェックリスト

  • □ 資産が「種類→構造・用途→細目」のどの区分に当たるか、耐用年数表で順番にたどったか
  • □ パソコンは「サーバー用を除く」(4年)か「サーバー用」(5年)かを確認したか
  • □ 車は「普通自動車」「軽自動車」「貨物自動車」のどれに当たるか、車検証等で確認したか
  • □ 取得価額が40万円未満(令和8年3月31日までの取得は30万円未満)で、少額減価償却資産の特例が使えないか確認したか
  • □ 中古資産の場合、簡便法の経過年数・資本的支出の割合を確認したか
  • □ 区分の判断に迷う資産について、顧問税理士に確認したか

次にやること

これから購入する(または購入済みで未申告の)資産について、耐用年数表の「種類→構造・用途→細目」を上から順にたどり、パソコンなら4年か5年か、車なら普通か軽かの区分を確定させる。中古で買った資産があれば、上の計算例の式に自分の経過年数を当てはめて簡便法の耐用年数を出し、その年数を減価償却費の計算に使う。

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

この記事の作り方: 下書きにAIを使い、法令の条文と官公庁の公式ページに照らして事実確認したうえで公開しています。確認の取れない記述が残る記事は公開せず、一次資料が見つからない箇所は本文にそう書いています。確認の手順を見る →

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