小規模事業者持続化補助金を創業期に使う
- 創業型は開業日(法人は設立年月日)と、特定創業支援等事業の支援を受けた日の両方が公募締切から起算して過去1か年の間にある小規模事業者等が対象で、認定市区町村等が行う「特定創業支援等事業」の支援(証明書)を受けていることが条件(小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募要領(第8版、2026年5月27日)、2026年9月確認)
- 補助率は対象経費の2/3、補助上限は200万円、インボイス特例で50万円上乗せし最大250万円(同公募要領、2026年9月確認)
- 対象経費は機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費など8区分で、広報費とウェブサイト関連費は単独申請不可、補助金額の上限はそれぞれ30万円(税込)まで(同公募要領、2026年9月確認)
- 申請には商工会議所・商工会が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要で、第4回の発行受付締切は申請締切(12月15日)の11日前の2026年12月4日、締切以降はいかなる理由があっても発行を受けられない(同公募要領、2026年9月確認)
- 創業型第4回は2026年11月5日受付開始・2026年12月15日17:00締切(同公募要領、2026年9月確認)
この記事の内容
この記事は、創業して間もなく「持続化補助金」という言葉を知ったものの、自分が対象になるのか、何にいくら使えるのか、どこに申し込めばいいのかが分からず止まっている人に向けて書いています。 結論から言うと、小規模事業者持続化補助金には創業者向けの「創業型」という枠があり、開業日が公募締切から1年以内であることと、自治体などが実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが主な条件になります。この記事では、対象になるかどうかの確認方法、補助対象になる経費、商工会議所を通す申請の流れを、公式情報をもとに整理します。
- 「創業型」という枠があるらしいが、自分の開業日で間に合うのか分からない
- チラシ・ホームページ・什器購入など、何が補助対象の経費になるのか分からない
- 商工会議所に行く必要があると聞いたが、何をしてもらうためなのか分からない
結論:創業型は「開業1年以内+特定創業支援」が入り口
小規模事業者持続化補助金は中小企業庁が実施する補助金で、小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む経費の一部を補助する制度です。このうち「創業型」は、創業して間もない事業者を対象にした枠で、開業日(法人の場合は設立年月日)が公募締切から起算して1年以内であることと、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが、対象者になるための入り口になります。開業日と支援を受けた日は、どちらも公募締切から起算して過去1か年の間にある必要があります(小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募要領(第8版・2026年5月27日)、2026年9月確認)。
補助率は対象経費の2/3、補助上限は200万円で、インボイス特例を満たすと50万円上乗せされ最大250万円になります(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。
創業型の「開業1年以内」という要件は変更されたことがあります。 第2回公募までは「創業後3年以内」でしたが、第3回公募から「創業後1年以内」に見直されました。中小企業庁が発表した第2回の採択事業者発表ページには「創業後3年以内の小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とし」という記載があり、第3回以降の公募要領では「創業後1年以内」という要件に変わっています(中小企業庁・小規模事業者持続化補助金<創業型>第2回採択事業者発表ページ、および第3回・第4回公募要領関連の公式情報、2026年9月確認)。制度は回ごとに要件が変わることがあるため、自分が申請する回の最新の公募要領を確認してください。
創業型と一般型(通常枠)の違い
小規模事業者持続化補助金には、創業型のほかに一般型(通常枠)などの枠があります。主な違いを整理します(創業型第4回公募要領(第8版)、一般型<通常枠>第20回公募要領(第7版・2026年5月27日)、2026年9月確認)。
| 項目 | 創業型 | 一般型(通常枠) |
|---|---|---|
| 対象者 | 開業日が公募締切から1年以内の小規模事業者等(開業前も含む) | 従業員数要件を満たす既存の小規模事業者等 |
| 追加要件 | 特定創業支援等事業の証明書が必要 | なし |
| 補助上限 | 200万円(インボイス特例で250万円) | 50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円の上乗せ。両方満たすと200万円の上乗せ) |
| 補助率 | 2/3 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
創業型は対象者を絞る代わりに補助上限が一般型より高く設定されているのが特徴です。ただし証明書の取得というハードルがあるため、次の章で条件を確認します。
対象者になれるか:2つの条件を確認する
創業型の対象者になれるかは、次の2点で確認します。
- 開業日の条件:個人事業の場合は開業日、法人の場合は設立年月日が、申請する回の公募締切から起算して1年以内であること。開業日は、個人事業主なら開業届の「開業・廃業等日」、法人なら登記簿の「会社成立の年月日」で見ます(書類の発行日や提出日ではありません)。申請時点でまだ事業活動を始めていない事業者も対象になり得ますが、その場合は実績報告時に、開業(設立)以降に売上が発生したことを示す売上台帳などの提出が求められます(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。
- 特定創業支援等事業の証明書の条件:開業日と、特定創業支援等事業の支援を受けた日の両方が、公募締切から起算して過去1か年の間にある必要があります。第4回の場合、小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局サイトには対象期間が2025年12月15日〜2026年12月15日と掲載されています(事務局サイト、2026年9月確認)。証明書がなければ、開業日の条件を満たしていても創業型には申請できません。支援を受けた人は、法人なら代表者本人、個人事業主なら本人である必要があります(代表者以外の役員・従業員や家族が受けた場合は対象外)。また、過去に創業型で採択されて事業を実施した事業者は、個人・法人を問わず対象外です(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。
「開業して1年以上たっている」場合は創業型の対象外です。 その場合は一般型(通常枠)など、他の枠が使えるかを確認する流れになります。自分がどちらに当てはまるかは、開業日を起点に自分で先に計算しておくと、商工会議所での相談がスムーズになります。
特定創業支援等事業の証明書はどう取るか
特定創業支援等事業は、産業競争力強化法に基づく認定市区町村や、認定市区町村と連携する認定連携創業支援等事業者が行う、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を身につける継続的な支援(創業塾・創業セミナー・個別相談など)です。原則として1か月以上・4回以上の継続的な支援が要件とされ、受けたことは自治体が発行する証明書で示します(中小企業庁「特定創業支援等事業を受けるメリット」、中小企業庁「創業支援等事業計画のガイドライン Q&A集」(令和7年9月1日版)、2026年9月確認)。
この証明書は創業型の応募資格になるだけでなく、次のような優遇措置にもつながります(中小企業庁「特定創業支援等事業を受けるメリット」、2026年9月確認)。
| 優遇措置 | 内容 |
|---|---|
| 登録免許税の軽減 | 法人設立時の税率が、株式会社は資本金×0.7%から0.35%に、合同会社も0.7%から0.35%に下がる(最低額は株式会社15万円→7.5万円、合同会社6万円→3万円) |
| 日本政策金融公庫の融資 | 新規開業・スタートアップ支援資金で、特別利率(基本金利から0.40%引き下げ)が適用される |
| 信用保証協会の創業関連保証 | 事業開始の6か月前(通常は2か月前)から利用対象になる |
創業型への応募を考えている場合は、まず自分の事業所在地の市区町村または商工会議所に「特定創業支援等事業を実施しているか」を問い合わせるのが最初の一歩になります。
対象経費:何にいくら使えるか
補助対象になる経費は区分が決まっており、区分にない支出は補助対象外です。創業型の経費区分は次の8区分です。あわせて、経費は交付決定日以降に発生し、補助事業実施期間中に支払いが完了したものに限られます(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。
| 区分 | 内容の例 |
|---|---|
| 機械装置等費 | 補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費 |
| 広報費 | パンフレット・ポスター・チラシの作成、広報媒体の活用など |
| ウェブサイト関連費 | Webサイト・ECサイト・システムの開発、構築、更新、改修、運用 |
| 展示会等出展費 | 展示会・商談会への出展料(オンライン開催を含む) |
| 旅費 | 販路開拓のための出張旅費 |
| 新商品開発費 | 新商品の試作品・包装パッケージの試作開発に伴う原材料・設計・デザイン・製造・改良・加工の費用 |
| 借料 | 機器・設備等のリース料・レンタル料 |
| 委託・外注費 | 上記に該当しない、自社では実施が困難な業務の委託・外注(店舗改装など) |
区分ごとの細かい条件は、申請する回の公募要領で確認してください。上乗せ・除外の条件が回によって変わることがあります。
なお、広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ単独での申請ができず、ほかの経費と一緒に申請する必要があります。補助金額の上限も、広報費が30万円(税込)、ウェブサイト関連費が30万円(税込)と、区分ごとに定められています(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。ホームページ制作だけを目的に申請することはできない、と理解しておくとよいです。
ウェブサイト関連費の上限は、回によって違います。 一般型<通常枠>第18回(2025年9月版公募要領)では「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」でしたが、創業型第4回・一般型第20回の公募要領では、広報費・ウェブサイト関連費とも「30万円(税込)」になっています(第18回・第20回・創業型第4回の各公募要領、2026年9月確認)。古い記事や過去回の解説の数字を、そのまま自分の回に当てはめないでください。
補助率と補助上限額
創業型の補助率は対象経費の2/3です。補助上限額は200万円で、インボイス特例の要件を満たすと50万円が上乗せされ、最大250万円になります。インボイス特例の要件は、2023年10月1日以降に創業した事業者で、補助事業の終了時点で「適格請求書発行事業者」の登録を受けていることです。特例を希望したのに要件を満たせなかった場合は、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されません(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。
補助金は後払いです。公募要領には「補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、補助金は後払いです」と書かれており、流れは、補助事業の終了後に実績報告書を出し、補助金額の確定を受けてから請求し、交付される順です(創業型第4回公募要領(第8版)、2026年9月確認)。申請が採択されても、経費を支払う前の段階でお金が振り込まれるわけではない点は、資金繰りを考えるうえで押さえておく必要があります。
申請の流れ:商工会議所から電子申請まで
創業型を含む小規模事業者持続化補助金の申請は、次のような順番で進みます(創業型第4回公募要領(第8版)の「申請手続の基本的な流れ」をもとに整理、2026年9月確認)。
- GビズIDプライムのアカウントを取得する:電子申請システム(Jグランツ)で申請するために必要です
- 経営計画書兼補助事業計画書(様式2・様式3)を作成する:自分の事業の現状、今回の取り組みの内容と狙いをまとめます
- 「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼する:様式2・3を印刷し、特例や加点に使う書類、Jグランツの一時保存画面(PDF)とあわせて、事業所在地の商工会・商工会議所に提出して発行してもらいます。創業型の場合は特定創業支援等事業の証明書についても合わせて確認されます。様式4の発行受付締切は申請締切より前に設定されており、締切以降はいかなる理由があっても発行を依頼できません(公募要領の文言)。創業型第4回は申請締切12月15日に対し発行受付締切12月4日(11日前)で、一般型第20回も同じ日程です。過去の一般型第18回は、申請締切2025年11月28日に対し発行受付締切11月18日(10日前)でした
- 電子申請システム(Jグランツ)で申請する:様式一式と、発行を受けた様式4のPDFを添えて申請します。様式4をアップロードするまで申請は完了しません
- 採択後、見積書等を提出し、交付決定を受ける:採択後、計上するすべての経費について見積書等を出し、事務局の審査を受けます。第4回の見積書等の提出期限は2028年2月29日で、それまでに出さなければ採択取消しです。交付決定には、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります
- 事業を実施し、実績報告を行う:交付決定日以降に発生した経費を、補助事業実施期間内に支払い、実績報告書を提出します。第4回の補助事業実施期間は、交付決定日から2028年3月31日までです
- 補助金額の確定を受け、請求して、補助金が振り込まれる:実績報告の内容が認められると補助金額が確定し、請求のうえ交付されます
様式4の発行を受けるのに、商工会・商工会議所の会員であることを求める記載は、公募要領(第8版)には見当たりませんでした(2026年9月確認)。ただし、一部の商工会議所では動画など一部サービスを会員限定としている例があります(東京商工会議所の持続化補助金ページ)。様式4を出してもらう窓口の受付時間や、事前の連絡が必要かどうかは商工会・商工会議所ごとに異なるため、【各自確認:事業所在地を管轄する商工会・商工会議所の窓口の受付時間と、訪問前の連絡の要否。管轄の商工会・商工会議所のホームページまたは電話で確認】。締切から逆算して早めに動いてください。
公募スケジュールと注意点
創業型は年に複数回、公募が行われています。第4回の創業型は、2026年11月5日(木)に受付が開始され、2026年12月15日(火)17:00に締め切られる予定です。公募要領には「予定は変更する場合があります」と書かれています(小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募要領(第8版・2026年5月27日)、2026年9月確認)。
公募のたびに要件・補助上限・対象経費の細部が見直されることがあります。 この記事で紹介した開業日の条件も、過去に「3年以内」から「1年以内」へ変更された経緯があります。申請を検討する際は、その回の公募要領(中小企業庁または事務局の公式サイトに掲載)を確認してください。
実体験について、正直に書きます
正直に書きます。この記事を書いている時点では、小規模事業者持続化補助金(創業型)への申請は行っていません。特定創業支援等事業の受講や、商工会議所での事業支援計画書(様式4)のやり取りも、まだ経験していません。そのため、この記事は中小企業庁・補助金事務局の公式資料を確認して整理した内容であり、実際に申請から採択・実績報告までを経験した体験談ではありません。
補助金額の計算例:対象経費150万円で試算すると
創業型の補助金額がいくらになるか、次の前提で試算します。
- 対象経費(機械装置等費・展示会等出展費・委託・外注費など、8区分に該当する経費の合計):150万円。広報費・ウェブサイト関連費が含まれる場合は、それぞれ補助金額30万円(対象経費45万円)までの範囲に収まる前提
- インボイス発行事業者への登録:なし(インボイス特例は使わない前提)
- 補助率:2/3、補助上限額:200万円(いずれも創業型第4回公募要領(第8版)の数値)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 対象経費の合計 | 150万円 |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助率をかけた金額 | 100万円 |
| 創業型の補助上限額(インボイス特例なし) | 200万円 |
| 実際に交付される補助金額(上限以内のためそのまま) | 100万円 |
対象経費が300万円まで増えても、300万円×2/3=200万円となり、ちょうど補助上限額に達します。インボイス特例を使わない限り、対象経費をさらに増やしても補助金額は200万円が上限です。インボイス発行事業者への登録などインボイス特例の条件を満たせば、上限が250万円まで引き上がります。
この試算はあくまで概算です。対象経費区分ごとの細かい上限や按分ルールは申請する回の公募要領で確認してください。
次にやること
まず、自分の開業日(または開業予定日)を書き出し、次に自分の事業所在地の市区町村または商工会議所に「特定創業支援等事業を実施しているか」を問い合わせてください。 開業日が公募締切から1年以内で、この証明書が取得できる見込みが立てば、創業型への応募資格が整います。証明書の取得には原則1か月以上・4回以上の支援を受ける必要があるため、申請したい公募回から逆算して、できるだけ早く相談を始めるのが次の一手です。
※本記事は2026年9月時点で確認できた公式情報の整理です。小規模事業者持続化補助金(創業型)の対象者要件・補助率・補助上限額・対象経費・公募スケジュールは、公募の回ごとに変更されることがあるため、申請前に中小企業庁および事務局の公式サイトで、申請する回の最新の公募要領を確認してください。採択・補助金の交付は審査によります。
出典 - 小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回公募要領(第8版、2026年5月27日、小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局。補助率・補助上限・インボイス特例・対象者要件・経費区分・広報費とウェブサイト関連費の上限・申請手続・スケジュール・後払いの根拠。2026年9月確認) - 小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局サイト(第4回の対象期間2025年12月15日〜2026年12月15日、2026年9月確認) - 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募要領(第7版、2026年5月27日)・第18回公募要領(第4版、2025年9月29日)(小規模事業者持続化補助金事務局。一般型の補助上限・特例・ウェブサイト関連費の上限・様式4の日程の根拠。2026年9月確認) - 小規模事業者持続化補助金<創業型>第2回公募の採択事業者発表・第3回公募要領公開のお知らせ(中小企業庁、2026年9月確認) - 特定創業支援等事業を受けるメリット(中小企業庁。登録免許税の軽減、日本政策金融公庫の特別利率、信用保証協会の創業関連保証の特例、2026年9月確認) - 産業競争力強化法に基づく創業支援等事業計画のガイドライン Q&A集(中小企業庁 創業・新事業促進室、令和7年9月1日版。「原則として4回以上、1ヶ月以上の継続的な支援」、2026年9月確認)