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株式会社の定款認証

この記事の結論
  • 株式会社は会社法30条1項により定款が公証人の認証を受けなければ効力を生じない
  • 持分会社(合同会社など)の定款には認証の規定がなく、公証役場での手続きが発生しない(会社法575条)
  • 定款認証手数料は資本金の額等に応じて3万円・4万円・5万円の3区分(公証人手数料令35条、2022年1月1日施行改正)
  • 2024年12月1日施行の改正で、発起人が自然人3人以下かつ取締役会を置かない等の要件を満たす100万円未満の会社は3万円から1万5,000円に引き下げ(日本公証人連合会)
  • 紙の定款には収入印紙4万円が必要だが電子定款なら不要(印紙税法)、謄本交付手数料は1枚250円
この記事の内容
  1. 結論:認証は株式会社だけ、費用は最大5万円
  2. なぜ株式会社だけ定款認証が必要なのか
  3. 定款認証の費用はいくらか(2024年12月の改正まで反映)
  4. 合同会社は何が不要になるのか
  5. 紙の定款と電子定款で変わるもの
  6. 手間の差:日数とやり取りの回数
  7. 比較表:株式会社と合同会社の定款まわり
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、株式会社と合同会社のどちらで会社を作るか迷っていて、「定款認証」という聞き慣れない手続きが株式会社側にだけあると聞いて、実際どれくらい費用と手間が変わるのか知りたい人に向けて書いています。 結論から言うと、株式会社は定款を公証役場で認証してもらう手続きが法律上必須で、合同会社にはこの手続き自体が存在しません。費用にして最大5万円、日数にして数日〜1週間程度の差になります。以下、何を・いくら・どれだけ違うのかを整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 「定款認証」が何なのか、なぜ株式会社だけ必要なのか分からない
  • 定款認証にかかる費用が資本金の額によって変わると聞いたが、いくらになるのか分からない
  • 合同会社なら本当にこの手続きが丸ごと不要なのか、ネットの情報が古そうで不安

結論:認証は株式会社だけ、費用は最大5万円

株式会社を設立する場合、作成した定款を公証役場に持ち込み(または電子データで送信し)、公証人に内容を確認してもらった上で認証を受ける必要があります。これは会社法30条1項に定められた手続きで、認証を受けなければ定款自体の効力が生じません。 一方、合同会社などの持分会社の定款には認証の規定がなく(会社法575条)、この手続きそのものが発生しません。

株式会社の定款認証にかかる費用は、2026年9月1日時点で資本金の額等に応じて1万5,000円・3万円・4万円・5万円のいずれかです(公証人手数料令35条、日本公証人連合会)。合同会社であれば、この費用がまるごとかかりません。

なぜ株式会社だけ定款認証が必要なのか

会社法上、会社の種類によって定款に関する規定が分かれています。株式会社の定款は会社法26条で作成が定められ、続く30条1項で「公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない」とされています。株式会社は出資者(株主)が経営に直接関与しない前提の会社形態のため、設立時の定款内容を公的な第三者(公証人)にあらかじめ確認させることで、内容の正確性・適法性を担保する仕組みになっていると説明されています。

これに対して、合同会社・合名会社・合資会社といった持分会社は、会社法575条で定款作成が定められていますが、認証を受けるべき旨の規定がありません。出資者(社員)自身が原則として経営にも関与する持分会社では、公証人による事前確認の仕組みが設けられていない、という整理です。この違いが、この記事のテーマである「手間の差」の根っこにあります。

定款認証の費用はいくらか(2024年12月の改正まで反映)

株式会社の定款認証手数料は、これまでに2回改定されています。

  • 2022年1月1日施行の改正前:資本金の額等にかかわらず一律5万円
  • 2022年1月1日施行の改正後(公証人手数料令35条):資本金の額等が100万円未満なら3万円(1号)、100万円以上300万円未満なら4万円(2号)、それ以外は5万円(3号)
  • 2024年12月1日施行の改正後:上記の3万円区分のうち、①発起人の全員が自然人でその数が3人以下、②定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある、③定款に取締役会を置く旨の記載がない、という3条件をすべて満たす場合に限り、3万円から1万5,000円に引き下げ(日本公証人連合会「公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」)
ここが要点

2024年12月の引き下げには経過措置があり、公証役場に定款認証を依頼した日(嘱託日)が2024年11月30日以前であれば、認証自体がそれ以降に行われても手数料は従来どおり3万円になります(日本公証人連合会)。「資本金100万円未満なら常に1万5,000円」ではなく、発起人の人数・株式の引受け方・取締役会の有無という3条件を満たすかどうかで金額が変わる点に注意してください。

この手数料に加えて、紙の定款を使う場合は謄本の交付手数料がかかります。謄本は1枚につき250円で、認証文のページも1枚として数えるため、定款のページ数によって金額が変わります(公証人手数料令40条、日本公証人連合会)。

合同会社は何が不要になるのか

合同会社の場合、上で挙げた定款認証手数料(1万5,000円〜5万円)と、謄本交付手数料(1枚250円×枚数)の両方が、そもそも制度上発生しません。公証役場に定款を持ち込む・予約を取る・内容の事前チェックを受けるといった一連のやり取り自体が不要になります。

一方で、次の見出しで説明する収入印紙代(紙の定款の場合4万円)については、株式会社・合同会社の両方に共通してかかる可能性がある費用です。「定款認証がいらない=合同会社の定款関連費用がゼロ」ではない点は誤解しやすいところなので、分けて理解しておく必要があります。

紙の定款と電子定款で変わるもの

定款を紙で作成する場合、印紙税法上の課税文書(別表第一第6号文書)にあたるため、収入印紙4万円を定款に貼付する必要があります(印紙税法別表第一第6号文書、国税庁「印紙税額の一覧表」)。株式会社・相互会社の場合、認証のために提出する2通のうち公証人が保存する原本1通のみが課税対象で、発起人側に返還される謄本は非課税です(国税庁)。これは株式会社・合同会社のどちらで設立する場合でも共通してかかる費用です。

一方、定款をPDFなどの電子データで作成し、電子署名を付けて電子定款として提出する場合は、課税文書に該当しないため収入印紙4万円は不要になります。電子定款を作成するには、Adobe Acrobat等の電子署名ソフトとICカードリーダー、マイナンバーカード(または商業登記電子証明書)などの環境を用意する必要があり、この準備自体に一定の手間がかかります。行政書士などの専門家に電子定款の作成を依頼すると、その分の報酬はかかりますが印紙代4万円は節約できる、という組み合わせが一般的です。

手間の差:日数とやり取りの回数

株式会社の定款認証で発生する主なやり取りは、次のような流れになります。

  1. 定款案を作成し、事前に公証役場へファックスやメールで送付して内容チェックを受ける
  2. 公証人からの修正指示があれば反映し、再送する
  3. 認証日を予約し、発起人(または代理人)が公証役場に出向いて認証を受ける(電子定款の場合はオンラインで完結する運用もある)
  4. 手数料・印紙代・謄本代を支払い、認証済みの定款を受け取る

このやり取り全体にかかる日数について、公証役場ごとの平均処理日数を示した公的な統計は見当たりませんでした。目安として複数の司法書士・行政書士の解説記事が挙げているのは「事前チェックの往復も含めて数日〜1週間程度」で、公証役場の混雑や修正回数によって変わります。

なお、2024年1月から、発起人がマイナンバーカードの署名用電子証明書で電子署名し、日本公証人連合会の「定款作成支援ツール」(またはその二次利用サービス)を使うなどの条件を満たす場合には、必要書類が公証役場にすべて届いてから土日祝を除く48時間以内に手続きを終える「48時間処理」という運用が始まっています(法務省、日本公証人連合会)。専用ツール・電子署名の準備が前提になるため、誰でもすぐ使えるわけではなく、上記の「数日〜1週間程度」とは別枠の選択肢として押さえておいてください。

合同会社の場合は、この1〜4のプロセスすべてが不要で、定款を作成した時点で(法務局への登記申請に進める状態として)完了します。

比較表:株式会社と合同会社の定款まわり

項目 株式会社 合同会社
定款認証の要否 必須(会社法30条1項) 不要(会社法575条に認証規定なし)
認証手数料 1万5,000円・3万円・4万円・5万円のいずれか(資本金額等・条件により変動、公証人手数料令35条) かからない
謄本交付手数料 1枚250円(紙の場合) かからない
収入印紙 紙の場合4万円、電子定款なら不要(印紙税法別表第一第6号文書) 紙の場合4万円、電子定款なら不要(印紙税法別表第一第6号文書)
公証役場とのやり取り 事前チェック・予約・訪問が必要 発生しない
目安の所要日数(定款まわりのみ) 数日〜1週間程度が目安(公的統計なし、解説記事に共通する目安)。条件を満たせば48時間処理も選択可 定款作成が完了すればそのまま次工程へ

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私は独立にあたって合同会社を選んだため、この記事で説明した株式会社の定款認証そのものは経験していません。選んだ理由の一つは、まさにこの記事に書いた「認証の手間と費用がまるごと発生しない」という点でした。

そのため、この記事の株式会社側の費用・手続きの流れは、日本公証人連合会の公開情報を基にした「調査した範囲では」の整理であり、公証役場に実際に足を運んだ実感としては書けていません。合同会社側の定款作成が完了したら、実際にどこでつまずいたか、収入印紙4万円をどう扱ったかを別記事に実額で追記します。

次にやること

まず、株式会社と合同会社のどちらで進めるかによって、定款認証の要否そのものが変わることを起点に、資本金の額と発起人の人数・取締役会の有無を確認し、株式会社を選ぶ場合は自分の会社が定款認証手数料のどの区分(1万5,000円〜5万円)に当たるかを日本公証人連合会のページで確認してください。合同会社を選ぶ場合でも、紙の定款なら収入印紙4万円は共通してかかる点は忘れないでください。次は、電子定款の作り方と印紙代を実際にどう節約するかの記事も確認してください。


出典(2026年9月1日確認):

※所要日数の「数日〜1週間程度」は公的統計がなく、司法書士・行政書士の解説記事に共通する目安です。

当サイト運営者

会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

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