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会社設立の費用総額

この記事の結論
  • 合同会社の法定費用は登録免許税(資本金の0.7%か6万円の高い方)のみ、株式会社は登録免許税(資本金の0.7%か15万円の高い方)に加えて定款認証手数料(資本金額に応じ1万5,000円〜5万円、2024年12月1日施行の公証人手数料令改正)が上乗せされる(登録免許税法別表第一、日本公証人連合会)
  • 紙の定款には印紙税4万円がかかるが電子定款ならかからない(印紙税法別表第一、国税庁の見解)
  • 資本金100万円・電子定款のケースで試算すると合同会社6万円、株式会社16万5,000円で差は10万5,000円、資本金1,000万円では差は13万円に広がる
この記事の内容
  1. 結論:法定費用は合同会社6万円〜、株式会社15万円〜
  2. 会社設立の費用は3層に分けて考える
  3. 法定費用の内訳:印紙税・定款認証手数料・登録免許税
  4. 資本金別シミュレーション:100万円・300万円・1,000万円
  5. 電子定款にするかどうかで4万円変わる
  6. 法定費用以外にかかる実費
  7. 比較表:合同会社と株式会社の総額
  8. 実体験について、正直に書きます
  9. 次にやること

この記事は、会社を設立するにあたって結局いくら必要になるのか、合同会社と株式会社で総額がどれだけ違うのかが分からず不安な人に向けて書いています。 結論から言うと、法定費用だけで見れば合同会社は最低6万円、株式会社は最低15万円からで、電子定款を使った場合の実額で比べると差は資本金100万円で約10万5,000円、資本金300万円で約14万円まで開いたあと、資本金が約857万円を超えると合同会社側の登録免許税も実額計算に変わるため差は縮み始めます。以下、費用の内訳、資本金別の試算、法定費用以外にかかるお金を順に整理します。

こんな状態ではありませんか
  • 会社設立の費用がサイトによって「6万円」「20万円」などバラバラに書かれていて、結局いくら必要なのか分からない
  • 合同会社と株式会社で費用がどれくらい違うのか、実額で比べたことがない
  • 登録免許税・定款認証手数料・印紙税の違いがごちゃまぜになっている

結論:法定費用は合同会社6万円〜、株式会社15万円〜

会社設立で必ず発生する法定費用は、電子定款(印紙税がかからない前提)で比べると次の通りです。

  • 合同会社:登録免許税のみ。資本金の0.7%か6万円の高い方(登録免許税法別表第一第24号(1)ハ)
  • 株式会社:登録免許税(資本金の0.7%か15万円の高い方、同号(1)イ)に加えて、定款認証手数料(資本金額に応じて1万5,000円〜5万円、日本公証人連合会「定款手数料の改定」2024年12月1日施行分)が必ず上乗せされる

この2つの差だけで、資本金100万円のケースなら約10万5,000円、資本金300万円では約14万円まで広がります。 ただし資本金が約857万円を超えると合同会社側の登録免許税も実額計算に切り替わるため、そこから差は縮み始めます(1,000万円では約13万円)。[合同会社と株式会社どちらにするか]の記事でも触れた通り、初期費用だけで見れば合同会社が有利ですが、実際に払う額を知るには資本金をいくらにするかまで決めて計算する必要があります。以下、具体的な内訳と試算を並べます。

会社設立の費用は3層に分けて考える

会社設立の費用を語るサイトごとに金額が違って見えるのは、次の3層を分けずに合算しているためです。

  1. 法定費用:法律で額が決まっている、誰が設立しても必ずかかる費用(登録免許税・定款認証手数料・印紙税)
  2. 実費:法定費用ではないが、設立の過程で実際に払うことになるお金(印鑑作成費用、資本金振込の手数料など)
  3. 代行費用:自分で手続きをせず、司法書士・行政書士や設立代行サービスに依頼した場合の報酬

このうち金額が法律で固定されているのは1の法定費用だけです。2と3は業者・サービス選びで変動するため、「会社設立の費用は◯万円」という記事の数字は、どの層までを含めているかで大きく変わります。この記事はまず1の法定費用を正確に押さえ、そのうえで2・3の目安に触れる構成にしています。

法定費用の内訳:印紙税・定款認証手数料・登録免許税

法定費用は次の3種類で構成されます。

項目 合同会社 株式会社 根拠
定款の印紙税 紙の場合4万円、電子定款なら0円 紙の場合4万円、電子定款なら0円 印紙税法別表第一(第6号文書)、国税庁タックスアンサーNo.7141で税額4万円を確認。電子定款が非課税となる理由は、印紙税が「紙の文書」を課税対象とする税であり電磁的記録はこれに該当しないためで、国税庁「課税される定款の範囲」および質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」に示された原則による
定款認証手数料 不要(持分会社の定款作成を定める会社法575条には、株式会社の定款認証を義務付ける同法30条1項に相当する規定がない) 必須(会社法30条1項)。資本金100万円未満は条件を満たせば1万5,000円(満たさない場合3万円)、100万円以上300万円未満は4万円、300万円以上は5万円 日本公証人連合会「会社の定款手数料の改定」(公証人手数料令の一部を改正する政令=令和6年政令第353号、2024年12月1日施行)
登録免許税 資本金の0.7%か6万円の高い方 資本金の0.7%か15万円の高い方 登録免許税法別表第一第24号(1)。国税庁タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」で同税率・最低額を確認
ここが要点

株式会社の定款認証手数料の軽減(1万5,000円)には条件があります。「発起人全員が自然人で3人以下」「発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける」「取締役会を置かない」の3条件をすべて満たす場合に限られ、条件を満たさない場合は資本金100万円未満でも3万円のままです。一人起業(発起人1名・取締役会非設置)であれば、通常この軽減の対象になります。定款認証の詳しい手続きは[株式会社の定款認証]の記事で扱います。

資本金別シミュレーション:100万円・300万円・1,000万円

電子定款(印紙税0円)を前提に、資本金別の法定費用を試算すると次のようになります。

資本金100万円の場合

  • 合同会社:登録免許税6万円(100万円×0.7%=7,000円<6万円のため下限適用) → 合計6万円
  • 株式会社:定款認証手数料1万5,000円+登録免許税15万円(同じく下限適用) → 合計16万5,000円
  • 差額:10万5,000円

資本金300万円の場合

  • 合同会社:登録免許税6万円(300万円×0.7%=2万1,000円<6万円) → 合計6万円
  • 株式会社:定款認証手数料5万円(資本金300万円は「300万円以上」区分に該当)+登録免許税15万円(300万円×0.7%=2万1,000円<15万円) → 合計20万円
  • 差額:14万円

資本金1,000万円の場合

  • 合同会社:登録免許税7万円(1,000万円×0.7%=7万円>6万円のため実額適用) → 合計7万円
  • 株式会社:定款認証手数料5万円+登録免許税15万円(1,000万円×0.7%=7万円<15万円のため下限適用) → 合計20万円
  • 差額:13万円

登録免許税が資本金の0.7%で下限を上回るのは、合同会社が約857万円超、株式会社が約2,143万円超からです。 一人起業で資本金をこの水準まで積む例は多くないため、実務上は「合同会社6万円前後、株式会社15万円+定款認証手数料」で見積もっておけば大きくは外れません。

電子定款にするかどうかで4万円変わる

上の試算はすべて電子定款(印紙税0円)前提です。紙の定款で作成すると、合同会社・株式会社どちらも印紙税4万円が上乗せされます(印紙税法別表第一)。つまり紙定款なら、資本金100万円のケースで合同会社10万円、株式会社20万5,000円になり、差額そのものは10万5,000円のまま変わりません。 電子定款にするかどうかは、合同会社と株式会社の差額ではなく、両方の総額を4万円下げられるかどうかの話です。

自分で電子定款を作るにはマイナンバーカード・対応ICカードリーダー・電子署名ソフトが必要になり、機材の実費と学習時間がかかります。この節約を自分でやる場合の具体的な落とし穴は[電子定款で4万円節約する方法]の記事にまとめています。freee会社設立では、「freee会計」または「freee人事労務」を年間契約すると、電子定款の事務手数料5,000円が無料になります(freee公式サイト「電子定款の作成・認証を格安で代行」、※2026年8月時点の調査)。

法定費用以外にかかる実費

法定費用のほかに、設立の過程で実際に支払うことになる費用として次のようなものがあります。

  • 印鑑作成費用:実印(代表者印)・銀行印・角印を3本セットで発注する場合、素材やケースの有無により価格に幅があります。価格は市場価格で店舗・素材により大きく異なり、公的な統一資料はないため、この記事では金額を挙げません。発注前に複数の印鑑店で見積もりを比べてください。詳しくは[法人の実印・銀行印はどこまで必要か]の記事
  • 資本金の払込にかかる銀行振込手数料:発起人(代表社員)個人の口座へ資本金を振り込む際の手数料で、利用する金融機関・振込方法によって金額が異なります。金額は金融機関・振込方法ごとの手数料表で決まるため、この記事では一覧にせず、利用する金融機関の手数料表の確認をおすすめします
  • 登記事項証明書・印鑑証明書の取得費用:法人口座の開設や契約で提出を求められることがあり、取得方法(窓口・オンライン請求)によって手数料が異なります。この記事では立ち入らず、別記事で扱います

これらは会社設立の必須費用ではあるものの、法定費用のように一律の金額表があるわけではないため、「会社設立の費用総額」を語る記事の多くは、この実費の部分を省略したり逆に相場観だけで水増ししたりしています。この記事では、金額が法律で確定している法定費用と、確定していない実費とを分けて示すことを優先しました。

代行費用(司法書士・行政書士・設立代行サービスへの報酬)については、[会社設立は自分でやるか代行に頼むか]と[会社設立代行の費用比較]の記事で別途扱っています。

比較表:合同会社と株式会社の総額

電子定款・資本金100万円・一人起業(発起人1名・取締役会非設置)を前提とした場合の法定費用総額です。

項目 合同会社 株式会社
定款の印紙税 0円(電子定款) 0円(電子定款)
定款認証手数料 不要 1万5,000円
登録免許税 6万円 15万円
法定費用の合計 6万円 16万5,000円
紙定款にした場合 10万円 20万5,000円
毎年の決算公告義務 なし あり(会社法440条)

決算公告義務の有無は設立時の一回限りの費用ではなく、株式会社を選んだ場合に毎年続くコストです。この点は[合同会社と株式会社どちらにするか]の記事で詳しく扱っています。

実体験について、正直に書きます

私の場合

正直に書きます。私自身は2026年に前職を退職し、起業準備を進めている当事者ですが、この記事を書いている2026年9月1日時点で、まだ合同会社にするか株式会社にするかを最終確定しておらず、資本金の額も決めていません。[合同会社と株式会社どちらにするか]の記事で書いた通り、他人から出資を受ける計画は今のところ無いため、判断基準に照らすと合同会社に傾いています。

そのため、この記事の資本金別シミュレーションは、実際に自分が払った金額の記録ではなく、登録免許税法・公証人手数料令などの法令に基づく計算です。実際に会社形態と資本金を確定させ、登記を終えた段階で、法定費用以外に実際にかかった実費(印鑑・振込手数料・証明書取得費用など)を合計した「本当の総額」を、この記事に追記します。

次にやること

まず、会社形態(合同会社か株式会社か)と資本金の額を仮でいいので決めてください。 この2つが決まれば、上の資本金別シミュレーションに自分の数字を当てはめるだけで、法定費用の総額はほぼ確定します。そのうえで、電子定款にするかどうかで4万円、自分でやるか代行を使うかで報酬分の差が出るため、[電子定款で4万円節約する方法]と[会社設立は自分でやるか代行に頼むか]の記事を続けて確認してください。

freee会社設立


※本記事は2026年8月〜9月時点の法令・公証人手数料令に基づく情報整理と、筆者個人の状況に基づくものです。登録免許税・定款認証手数料・印紙税は法改正により変わることがあるため、実際の設立手続き前には必ず法務局・公証役場、または司法書士・行政書士に最新情報を確認してください。資本金振込の手数料と印鑑作成費用は金融機関・店舗ごとに異なるため、本記事では具体的な金額を挙げていません。

出典 - 登録免許税法 別表第一第24号(1)(株式会社・合同会社の設立登記にかかる登録免許税)。税率・最低額は国税庁タックスアンサー「No.7191 登録免許税の税額表」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm で確認(2026年9月1日確認) - 日本公証人連合会 公式サイト「会社の定款手数料の改定」https://www.koshonin.gr.jp/chg_teikanfee (公証人手数料令の一部を改正する政令=令和6年政令第353号、2024年12月1日施行、2026年9月1日確認) - 印紙税法 別表第一(第6号文書、定款にかかる印紙税額)。税額4万円は国税庁タックスアンサー「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7141.htm で確認(2026年9月1日確認) - 国税庁「課税される定款の範囲」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/24/01.htm 。電磁的記録が印紙税の課税対象である「文書」に該当しないという原則は、国税庁質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm による(いずれも2026年9月1日確認) - 会社法 第26条1項(株式会社の定款作成)、第30条1項(株式会社の定款認証)、第575条1項(持分会社の定款の作成、株式会社のような認証義務の規定なし)、第440条(株式会社の計算書類の公告) - freee株式会社 公式サイト「電子定款の作成・認証を格安で代行!自分で設立するならfreee会社設立」https://www.freee.co.jp/launch/denshi-teikan/ (2026年9月1日確認、電子定款事務手数料5,000円無料の条件) - 印鑑作成費用は市場価格であり、公的な一次資料は存在しないため、本記事では金額を挙げていません - 上記の一次情報は[合同会社と株式会社どちらにするか][電子定款で4万円節約する方法][登録免許税の払い方と登記申請書の書き方][法人の実印・銀行印はどこまで必要か]の各記事で2026年8月31日に確認済みの内容を、費用総額の観点で再整理したものです

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会社を辞めて、会社をつくる準備をしている当事者です

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。2026年に退職し、いまは求職活動と並行して、会社を立ち上げる準備を検討している段階です。まだ登記はしていません。調べて確かめたことだけを書き、済んでいない手続きは「これから」と正直に書きます。体験のふりをしません。

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